お役立ちコラム

労務顧問とは?社会保険労務士に依頼するメリットと選び方を解説

近年、働き方改革や法改正が進むなかで、企業の「労務」管理は複雑化しています。
「従業員とのトラブルを未然に防ぎたい」「最新の法改正に遅れず対応したい」と悩む経営者や人事担当者は少なくありません。
この記事では、企業のバックオフィスを強固にする「労務顧問」の役割や、社会保険労務士に「顧問」契約を依頼するメリット、自社に合った選び方をわかりやすく解説します。

労務顧問とは何か?主な業務内容と役割を解説

労務顧問とは、社会保険労務士と継続的な「顧問」契約を結び、パートナーとして労務管理のサポートを長期的に受けることです。
自社の実態を深く理解した専門家が伴走し、企業の成長を支えます。

具体的な業務内容

主なサポート内容は以下の通りです。

法令対応・就業規則の整備:頻繁な法改正への対応や、実態に合わせた就業規則の作成・改定
手続き代行:入社・退社に伴う社会保険・雇用保険などの複雑な行政手続きの代行
トラブル予防:従業員との労務トラブルを未然に防ぐための助言や体制づくり

「相談業務」と「手続き代行」の違い

顧問契約における役割は、大きく下記の2つに分かれます。
自社の課題に合わせて選ぶことが重要です。

役割 業務の性質 特徴
相談業務 相談・アドバイザリー(3号業務) 労務の疑問やトラブル予防に関する助言を行います。実務は自社で行うため、社内にノウハウを蓄積できます。
手続き代行 実務代行
(1号・2号業務)
社会保険の書類作成や行政への提出手続きを代行します。実務負担を大幅に減らし、担当者がコア業務に集中できます。

社会保険労務士と労務顧問契約を結ぶ主なメリット3選

社会保険労務士と労務顧問契約を結ぶことで得られる、3つの重要なメリットを具体例とともに解説します。

メリット1:法改正への迅速な対応とコンプライアンス強化

頻繁に行われる労働・社会保険関連の法改正を、自社だけで正確に追いかけるのは困難です。
労務顧問である社会保険労務士に任せることで、知らぬ間に法律違反を犯してしまうという経営リスクを回避できます。

【具体例】育休制度の法改正対応
産後パパ育休や社会保険の適用拡大など、複雑な制度変更時も「いつ・誰に・何の手続きが必要か」を先回りして案内を受けられ、手続き漏れや助成金が申請できなかったといったトラブルを防ぎます。

メリット2:従業員とのトラブル予防と初期対応

未払い残業代やハラスメントなどの労務トラブルは、解決に多大なコストや人的な労力がかかります。
労務顧問がいれば、予防のための就業規則整備や、問題発生時の迅速な初期対応が可能です。

【具体例】未払い残業代の請求
退職者から突然未払いの残業代を請求された場合でも、即座に対応策を相談できます。
さらに、固定残業代の運用や労働時間管理を法的に見直し、再発防止に向けた根本的な職場環境の改善を図れます。

メリット3:社内リソース削減とコア業務への集中

専門知識が必要で手間のかかる労務手続きをアウトソーシングすることで、担当者の負担を大幅に削減し、事業成長に直結する業務へリソースを集中できます。

【具体例】繁忙期の業務過多の回避
入社手続きで忙しくなる時期や年に一度の「算定基礎届」など、業務が逼迫する時期の手続きを一括して任せることができます。
結果として、担当者は採用活動や社内研修の企画など、企業価値を高めるコア業務に専念できます。

労務顧問の費用相場と料金体系の違いを解説

社会保険労務士に労務顧問を依頼する際、気になるのが「費用」と「どの契約プランを選ぶべきか」という点です。
ここでは、当法人の料金設定を交えながら、料金体系の仕組みやスポット依頼との違いを解説します。

ACCS社会保険労務士法人の顧問料(目安)

顧問料の一般的な相場は、企業の従業員数に応じて変動するのが基本です。
ACCS社会保険労務士法人では、企業の規模やフェーズに合わせた明確な料金プランをご用意しております。

【当法人の顧問料 月額目安】(税別)

1~5名 20,000円
6~10名 30,000円
11~30名 80,000円
31~50名 150,000円
※51名以上はお問い合わせください

※上記は基本プランの目安となります。給与計算の有無やご依頼内容によって変動する場合がございますので、詳細はお気軽にお問い合わせください。

料金体系の仕組み「相談のみ」か「手続き込み」か

社会保険労務士との労務顧問契約は、対応範囲によって大きく2つの料金体系に分かれます。

アドバイザリー契約(相談業務のみ)

業務内容・特徴
日常の労務相談や、法改正への対応、トラブル予防のアドバイスを行います。
実際の書類作成や手続き業務は自社で行うため、比較的費用を抑えられます。

このような企業におすすめ
社内に労務担当者がおり、実務は回せているが、専門的な法務チェックや相談役が欲しい企業。

総合顧問契約(手続き代行込み)

業務内容・特徴
アドバイザリー業務に加え、社会保険や雇用保険の各種手続き、書類作成などの実務代行が含まれます。
担当者の負担を劇的に減らすことができます。

このような企業におすすめ
労務の専任担当者がいない、または担当者が退職してしまい、実務から相談までプロに依頼したい企業。

どちらを選ぶべきか?スポット依頼と労務顧問契約の違い

「必要な時だけ依頼(スポット)」する場合と、「継続的に依頼(顧問)」する場合では、どちらが自社にとってコストパフォーマンスが高いのでしょうか。
それぞれのメリットと適したケースを比較します。

スポット(単発)依頼

特徴
「就業規則を1回だけ作成したい」「特定の助成金申請だけお願いしたい」など、業務ごとに単発で料金が発生します。

メリット
ランニングコスト(固定費)がかかりません。

おすすめの企業
労務トラブルがほとんど起きておらず、社内の管理体制がすでに完備されている企業。
ただし、トラブルが頻発した場合は、都度依頼することで結果的に顧問料より割高になる場合もあります。

労務顧問契約

特徴
毎月定額の顧問料を支払うことで、継続的なサポートと実務のバックアップを受けられます。

メリット
自社の内情を深く理解しているため、トラブル時の対応が迅速で、予防策も的確です。
また、法改正情報の提供や日々の些細な相談が追加料金なし(または割引価格)で対応してもらえる場合があります。

おすすめの企業
従業員の入社が定期的にある企業や、労務管理の知識不足による法的リスクを未然に防ぎたい企業。
中長期的に見ると、トラブル対応にかかる時間的・金銭的コストを大幅に削減できるため、高いコストパフォーマンスを発揮します。

自社に合う労務顧問を選ぶための5つの確認ポイント

労務顧問は、企業の成長を中長期的に支える重要なパートナーです。
自社に最適な社会保険労務士を選ぶために、面談時などに以下のポイントを確認しましょう。

1. 業界やビジネスモデルに対する理解と実績

業界特有の働き方やルール(IT、建設、医療・福祉など)を深く理解しているかが非常に重要です。
自社と同業界・同規模での顧問実績があるかを確認しましょう。

2. レスポンスの速さとコミュニケーションの相性

労務トラブルは初期対応のスピードが命です。
緊急時のレスポンスが速いか、また「些細な疑問でも気軽に相談しやすいか」といった、担当者とのコミュニケーションの相性も大切です。

3. 経営視点に立ったリスク回避のための提案

依頼された相談業務、手続き代行を単にこなすだけではなく、いかに会社の経営方針やビジョンに寄り添ってくれるかが問われます。
就業規則の落とし穴など、潜在的な労務リスクを先回りして提案してくれる専門家を選びましょう。

4. クラウドツール・IT対応への柔軟性

手続きの効率化にはIT活用が不可欠です。
自社が導入している(または導入予定の)勤怠管理や給与計算のクラウドシステムにスムーズに対応できるかも、業務負担を減らす大きなカギとなります。

5. 料金体系と対応範囲の明確さ

契約後の認識ズレを防ぐため、「どこまでの業務が定額の顧問料に含まれるのか」「スポット費用が発生するのはどんなケースか」を事前に明確に説明してくれる社会保険労務士事務所を選びましょう。

自社の課題や社風に最もマッチする労務顧問を選び、安心して本業に専念できる強固な経営体制を構築してください。

労務顧問を活用し安心の経営基盤を築く方法

複雑化する労務課題を自社で抱え込まず、経営リスクを回避するには、信頼できる「顧問」が不可欠です。
労務顧問の活用は、法改正対応やトラブル予防にとどまらず、企業が安心して成長するための強固な経営基盤づくりに直結します。

ACCS社会保険労務士法人の強み

ACCS社会保険労務士法人は単なる手続き代行だけではなく、常に経営者に寄り添い、企業の状況に合わせた丁寧なサービスを提供します。

一貫した伴走サポート

社会保険労務士の監修のもと、日常の些細な相談対応から各種手続き、就業規則の整備、制度設計・運用までワンストップで伴走します。

幅広いリスクへの対応力

未払い残業代やハラスメント問題の解決・予防、迅速な法改正対応、複雑な社会保険手続きなどを網羅的に支援し、経営基盤を強固にします。
自社の労務管理に少しでも不安がある方や、信頼できる中長期的なパートナーをお探しの経営者様・ご担当者様は、まずはお気軽にご相談ください。
貴社に最適なサポートプランをご提案いたします。

サービスの詳細・お問い合わせはこちら
https://accs-sr.jp/contact/


お役立ちコラム

勤務時間中に私用メールやLINEをした従業員を注意すべき?

Q.当社では、営業職の従業員に仕事用のスマートフォンを配布しています。
ところが、勤務時間中に支給したスマートフォンで私用メールやLINEを頻繁にしている従業員がいます。
メールやLINEばかりしているため、連絡がとりにくく、注意しても改まりません。
この従業員を罰することはできますか?
給料から天引きするのは違法なのでしょうか?

A.私用メールやLINEの頻度や内容にもよりますが、『職務専念義務』違反として懲戒処分の対象となる場合があります。
ただし、これらの行為が懲戒処分の対象であることが明確にわかるよう、あらかじめ就業規則に明記しておくことが前提となります。

勤務時間中の私用メールは『職務専念義務』違反となる可能性も?

基本的に、従業員が仕事中に私用メールやLINEを行うことは、懲戒処分の対象となり得ます。
なぜなら、従業員には勤務時間中は仕事に集中しなければならないという『職務専念義務』が課されているからです。
そのため、私用でメールやLINEをすることは『職務専念義務』に反する行為とみなされる場合があります。

ただし、そもそも従業員側が『私用でメールやLINEを行なってはいけない』という認識を持っていないことも考えられます。
そのため、まずは会社から従業員に対して、それが『職務専念義務』違反にあたることを説明し、今後は控えるように口頭で注意しましょう。

また、今後、会社側と従業員側との認識のズレを防ぐためにも、就業規則の中に『私用メールやLINEを禁止する』という明確な規定を記載しておくのが安心です。
あるいは、入社時に従業員から『職務に専念する』という旨の誓約書を提出してもらうのも有効な手段です。

これらのステップを踏んだうえで、実際に懲戒処分を科すためには、就業規則で懲戒理由をあらかじめ定めておく必要があります。
もし何の規定もない場合は、たとえ勤務時間中に従業員が私用メールやLINEをしても、罰することができなくなる可能性もありますので注意が必要です。

懲戒処分にするにはメールの頻度や内容も重要

私用メールやLINEをしたからといって、すべてのケースを懲戒処分の対象とするのは、厳しすぎます。
長年にわたって働いていると、ときには家族への緊急連絡など、生活上やむを得ないケースも出てくるでしょう。
何もかも禁止するのではなく、処分を行うときは、従業員が行なった私用メールやLINEの頻度や内容を精査してから判断することが必要です。

たとえば、ある会社が勤務中に1日2通程度の私用メールを行なった従業員を懲戒解雇処分にしました。
しかし、納得のいかない従業員が会社を訴えたところ、裁判では『仕事をするうえでの支障になるほどではない』とみなされ、『解雇は無効』という判断が下されました。
つまり、私用メールを行なった従業員に懲戒処分を下したとしても、内容が軽微であれば、場合によっては裁判で覆されてしまうこともあり得るのです。

一方、出会い系サイトの利用など、会社の業務と関係なく完全に個人が遊ぶ目的で、5年間という長期にわたって3,000件ものメールをやり取りしていた従業員を解雇したケースがありました。
この場合は、裁判でも『解雇は妥当である』と判断されました。

従業員への懲戒処分を適切に行うためには、まずは就業規則に懲戒理由を明記することが大切です。
そのうえで、私用メールやLINEの頻度や内容を考慮することが重要になってきます。
処分を下した後に労働トラブルに発展することを防ぐためにも、上記2点をしっかりと押さえておくようにしましょう。


お役立ちコラム

労働条件通知書と賃金規程の違いとは?就業規則作成時の注意点を解説

従業員を採用する際、「労働条件通知書」や「雇用契約書」の準備、そして「就業規則」や「賃金規程」の整備など、多くの書類作成が必要になります。
これらの書類がそれぞれどのような役割を持ち、内容にどのような違いがあるのかを正確に把握しておくことは、健全な組織を運営するうえで必要不可欠です。

特に賃金に関するルールは、労働基準法に基づいた適切な運用が求められ、不備があると未払い残業代などの労務トラブルや、助成金の不支給に直結します。
本記事では、労働条件通知書と賃金規程・就業規則の明確な違いから、作成・見直し時のポイント、専門家へ代行依頼するメリットまでを詳しく解説します。

目次

労働条件通知書と賃金規程・就業規則にはどのような役割の違いがあるのか

労働条件通知書と就業規則の大きな違いは、「個別の約束」であるか「全体のルール」であるか、です。
それぞれの違いを簡潔に説明します。


1. 役割の違い

・労働条件通知書(個別の約束)
特定の従業員に対し、「あなたの給与・勤務地・時間はこれです」と明示する書類です。
その人固有の条件を確定させる役割があります。
・就業規則・賃金規程(全体のルール)
全従業員に共通して適用される「社内の法律」です。
休暇制度や服務規律など、組織全体の公平性を保つためのルールが記されています。


2. どちらが優先されるか?

通知書と就業規則で内容に違いがある場合、『労働者にとって有利な方』が優先されるのが原則です。

・「通知書」のほうが条件がよい場合
個別の合意が尊重され、通知書の内容が優先されます。
・「通知書」のほうが条件がよくない場合
労働契約法の規定により、就業規則に達しない部分は無効となります。
この場合、強制的に就業規則の基準まで引き上げられます。


種類 対象 性格
労働条件通知書 個人 個別のオーダーメイド条件
就業規則 全体 組織の最低基準・共通ルール

会社は「就業規則を下回る契約」はできないという点を押さえておきましょう。

賃金規程と就業規則を別々に作成するメリットと労働基準法上の注意点

就業規則を作成する際、給与に関する定めを「賃金規程」として切り分ける手法が一般的です。
なぜ別々にするのか、その理由と法的な注意点を整理します。


1. 賃金規程は「就業規則」の一部

法的な位置づけとして、賃金規程は独立したルールではなく広義の就業規則の一部です。
労働基準法で記載が義務づけられている「賃金の決定や支払方法」を、利便性のために別冊にしているに過ぎません。

2. 別立てにするメリットは高いメンテナンス性

別立てにしている最大の理由は、変更頻度の高さへの対応です。

柔軟な改定:昇給ルールの見直しや手当の新設など、賃金周りは社会情勢に応じて頻繁に調整が必要です。
効率的な管理:服務規律などの基本ルールと分離することで、改定箇所が明確になり、事務作業や周知の負担を軽減できます。

3. 作成・変更時の法的な義務

別冊であっても、手続きは通常の就業規則と全く同じです。

1. 意見聴取
従業員代表(過半数代表者など)から意見を聴き、意見書を作成する必要があります。
2. 労基署への届出
作成・変更のたびに、意見書を添えて労働基準監督署へ届け出る義務があります。
3. 周知
従業員がいつでも確認できる状態にしておくことで、初めて法的な効力が発生します。


賃金規程の別立ては、「運用のしやすさ」において大きなメリットがあります。
ただし、別冊だからといって「届出が不要」になるわけではありません。
法的なプロセスを正しく踏み、戦略的な規程運用を心がけましょう。

規程の別立てや法的なプロセスに少しでも不安がある方は、まずは当法人の無料診断をご活用ください。

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雇用契約書や労働条件通知書と就業規則の内容が矛盾するリスクと対策

現場で起こりがちな「書類間のズレ」は、単なる事務ミスでは済まされない大きなリスクを秘めています。


1.「言った言わない」を防ぐ法的な解釈

雇用契約書と就業規則の内容が矛盾している場合、労働契約法に基づき『労働者に有利な条件』が優先されます。

契約書が有利な場合:その個別合意が優先されます。
契約書が不利な場合:契約書の内容は無効となり、強制的に就業規則の基準まで引き上げられます。

安易な個別約束は、後に予期せぬ未払いトラブルや訴訟へと発展する火種となります。

2. 助成金申請における「整合性」の重要性

実務上の大きな落とし穴が助成金です。
キャリアアップ助成金等の審査では、雇用契約書、就業規則、賃金台帳の一貫性が厳格にチェックされます。
わずかな文言のズレや、規程にない手当の支給があるだけで、『不支給』判定を受けるリスクがあるため、書類間の整合性は必須です。

3. 定期的な見直しと対策

書類間の矛盾を防ぐには、法改正に合わせたテンプレートの更新が不可欠です。

雛形の一元管理:就業規則を改定したら、必ず労働条件通知書のフォーマットも修正しましょう。
優先順位の明記:契約書内に「本契約に定めのない事項は就業規則による」と記載し、主従関係を整理しましょう。

「たかが書類のズレ」と放置せず、常に一貫性を持たせることが会社を守る近道です。

従業員とのトラブルを未然に防ぐための就業規則作成における必須項目

就業規則は、会社を守り従業員が安心して働くための『リスクマネジメントの盾』です。
トラブルを未然に防ぐために、必ず盛り込むべき要素を整理します。


1.「絶対的必要記載事項」の徹底

法律で記載が義務づけられている項目を完璧に整えることが、トラブル回避の第一歩です。

賃金と昇給:決定方法、計算、支払日、昇給基準を明確にします。
時間と休日:始業・終業時刻、休憩、休日、休暇の種類を具体的に定めます。

ここが曖昧だと、「残業代の計算不一致」などの致命的な紛争に直結します。

2. 最新の法改正への適合

古いテンプレートのままにしていると、知らないうちに「違法な規則」となってしまう可能性があります。

割増賃金率:月60時間超の残業代(50%以上)など、最新の基準が反映されているか確認しましょう。
休暇管理:有給休暇の5日取得義務化など、現行法に適合した運用ルールを明文化します。

3. 現代の働き方(副業・テレワーク)への対応

柔軟なルール作りは、優秀な人材の定着にもつながります。

副業規程:許可制や届出制を導入し、機密保持と本業への支障を防ぐルールを設けます。
テレワーク:通信費の負担、労働時間管理、セキュリティ対策を明記します。


1. 基本の徹底(絶対的必要記載事項)
2. 法の更新(残業代・休日)
3. 変化への対応(副業・テレワーク)

この3軸を意識することで、会社の実態に即した「守りに強い」就業規則が完成します。

社会保険労務士に就業規則作成や労働条件の整備を代行依頼するメリット

「ネットの雛形」での運用には限界があります。
労務のプロである社会保険労務士に依頼する、実務的な利点を凝縮して解説します。


1. 法的な整合性の完全担保

労働条件通知書・雇用契約書・就業規則の「三者の矛盾」をゼロにします。
プロが整合性を隅々までチェックし、トラブル時に会社を確実に守る盤石な体制を構築します。

2. 助成金受給の可能性を最大化

多くの助成金は「適切な規則の整備」が受給の絶対条件です。
要件を熟知した社会保険労務士が受給から逆算して規程を作成するため、文言ひとつによる不支給リスクを防げます。

3. 行政手続きの代行で本業に専念

意見聴取から労基署への届出まで、煩雑なプロセスを一貫して代行します。
経営者が本業に集中できる環境を作り、法改正への追随もスムーズに行えます。


確かな安心を、プロの手で

自社対応で見落としたリスクは、将来大きなコストとなり得ます。
貴社の実態に即した「生きた就業規則」の作成は、ぜひ私たちACCS社会保険労務士法人へご相談ください。

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正確な書類整備が企業の信頼性を高め円滑な労務管理を実現する

今回のまとめ:信頼される会社になるための3ステップ

1.「労働条件通知書」と「就業規則」をセットで整える
これらは「個人の約束」と「会社のルール」という車の両輪です。
両方が正しく揃って初めて、トラブルのないスムーズな経営が可能になります。
2.「なんとなく」の管理が最大のリスク
書類が曖昧だと、将来的なトラブル(労働争議)や、もらえるはずの助成金がもらえないといった大きな損失につながるおそれがあります。
3.「今のルール」が最新か確認する
法律はどんどん変わります。
「昔作ったから大丈夫」ではなく、今の法律や実態に合っているかを専門家にチェックしてもらうことが、会社を守る一番の近道です。


「自社の書類は大丈夫かな?」と少しでも不安を感じたら……。
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お役立ちコラム

人事の基礎をあらためて理解して、人材育成と業務の効率化を実現させる!

働き方や働く側の意識が多様化している現代。
これまで一般的だった終身雇用に陰りが見え始め、転職に対するマイナスイメージが減っています。
また、スキルアップや見識を広めるためなど、副業を持つ人たちも増えているようです。

このような時代のなかで、多くの会社に配置されている人事はその役割をしっかりと理解し、自社にとって必要な人材の確保や育成に努めなければなりません。

では、時代の変化に対応していくためには、これからどういった人事を目指していくべきなのでしょうか。
ここではその一助となる基本的な人事の役割や身に付けるべきスキル、トレンドなどをお伝えしていきます。

なぜ会社に人事が必要なのか

業種を問わず、多くの企業に設置されている人事部門ですが、そもそもなぜ、会社に人事担当が必要なのでしょう。

その理由は、自社の経営戦略に合わせて必要な人材を見極め、自社が抱えるリソースを適切に配置していくためです。
現代は少子高齢化による労働人口の減少や雇用制度の変化によって、人材の確保が難しくなっています。
さらに、転職が珍しいことではなくなり、より条件のよい働き方を求めて人材が他社へと流れてしまうことも多くなってきています。

だからこそ、企業は優秀な人材を求めて採用競争を続けるために、採用から教育、評価など人を維持する仕組みを専門的に行う人事が必要となったのです。

このように、人事は社内の活性化・企業発展を踏まえて採用、教育、評価を計画的に行い、人材を管理する役割があるため、経営戦略や目標の実現に直結した部門として企業には必須なのです。

人事の役割

人事の役割として主なものは、「採用」「配置・育成」「評価」「労務」「環境整備」の5つです。

「採用」

多くの人事が深くかかわる業務は、人材の採用です。
その内容は、採用する人材の募集から選考、内定後のケアや入社の手続きなど長期かつ多岐にわたります。

また、自社に必要な人員計画を立案し、それに沿って企業説明会を実施するなど募集活動を行います。
選考について人事はもちろん、各部署と協力して行う場合もあるため、社内でしっかりと連携が取れていなければなりません。

「配置・育成」

人材を採用した後の育成や配属先の決定も、人事の大切な役割です。
OJT(On The Job Training)や、Off-JT(Off The Job Training)の計画に沿って人材配置を行い、育成をスタートします。
内容は企業によって異なりますが、新人研修、OJT、ジョブローテーションと、必要に応じて定期的に研修を行なっていくのが一般的です。
長期的な教育計画を立てている企業も増えています。

「評価」

従業員の評価制度を整えるのは、人事の大切な役割です。
公平・公正に仕事を評価してくれる会社でなければ、従業員はモチベーションを保てません。
従業員のモチベーションを高めることは、会社全体の業績向上に大きく影響します。
そのため、人事は、昇進や給与について公正で透明性のある評価制度に取り組むことが求められます。

「労務」

人事は、従業員の労働に関係する事務処理にも携わる場合が多いでしょう。
主な業務は、勤怠データ、給与計算、各種保険や厚生年金の手続き、健康診断、福利厚生の整備などです。

「環境整備」

従業員が働きやすい環境を整備することも人事の重要な役割です。
福利厚生の検討などに加え、社内コミュニケーションを活発にするためのイベントの企画、社内報の作成や社内SNSの活用なども行います。

人事の年間スケジュール

人事部が最も忙しいのは、3~4月の入社や転勤の時期と、半期を過ぎた10月といわれています。
しかし、それ以外にも年間を通して労務関連などのさまざまな業務があるため、おおまかな業務の内容とそれぞれの時期を把握しておくとよいでしょう。

1月~3月 給与支払報告書の提出
4月~6月 定期昇給、健康介護雇用保険料率変更、住民税変更、労働保険料の申告書提出
7月~9月 算定基礎届、賞与計算、賞与支払届提出、被扶養者状況再確認リスト提出、高齢者・障害者雇用状況報告書提出
10月~12月 新標準報酬へ変更、厚生年金料率変更、最低賃金変更、年末調整・賞与計算および賞与支払届提出

人事部の年間スケジュールは、1年を通じて計画性が求められる業務と、毎月定期的に処理しなければならない業務が入り混じっているのが特徴です。
1年のなかで、どの時期にどのような仕事が行われているのかを把握して、無理のないスケジュールを組んでおくことが、自社の人材活用や人材育成の推進につながるでしょう。

人事に向いている人材

一般的に人事に向いているといわれるのは、このような人です。

・コミュニケーションスキルが高い
・機密保持に対してしっかりとした意識を持っている
・公平な考え方を持ち、客観的かつ中立的に考えられる

人事は社内・社外の多くの人とつながる仕事です。
そのため、積極的にコミュニケーションを取ろうという姿勢を持つ人のほうが向いている傾向があります。
社外とのやり取りでは、会社の顔として相手によりよい印象を与える対応が求められ、社内に対しては従業員の相談やトラブル解決と幅広い対応が必要です。

そして、人事部の業務は社外秘の情報を取り扱うことが多いため、得た情報を外部に漏洩させない意識を持っていることが大前提です。
従業員の悩みや相談内容について守秘義務を守るのはもちろん、自社の機密情報を外部に漏らすようなことがあれば大きなトラブルになることもあるため、最大限の注意が必要なのです。

加えて、多くの声を聞く立場だからこそ、それに対して冷静に対応でき、客観的で中立的な判断を下せる人が人事という仕事に適しています。
公平なジャッジができない人事では、社内での信頼を失ってしまうでしょう。

ここまでご説明した3つの要素を兼ね備えた人材は、人事の仕事に向いているといえます。

人事に必要なスキル

人事の仕事は、社内外問わず多くの人とかかわるものです。
業務を円滑に進めるためには、よりよい人間関係を円滑に築いていく必要があります。
どういったスキルが人事に求められているのか、加えて、人事の業務を通して得られるスキルをまとめました。

人事に求められるスキル

・誰に対しても明るく対応できるコミュニケーションスキル
・スケジュールや進捗に対する管理能力
・機密情報や個人情報に対する守秘義務を徹底して守れること

人事の業務によって得られるスキル

・労働に関する法律的な知識
・コミュニケーションスキル
・人事についての戦略的思考
・機密情報などの適切な取り扱い方

上記のようなスキルのほか、業務に必要なパソコンのスキル、正確な作業やスピードも重要となります。
さらに、怒りを管理するアンガーマネジメントも重要です。
アンガーマネジメントとは、単純に怒らないことではなく、トラブルを防ぐために怒りをコントロールすることを言います。
必要な場面で的確に怒り、不要な時には怒りを抑えられるスキルは、人事の仕事にも効果的です。
また、人の感情についても把握・理解できるようになるでしょう。

このように、人事にはさまざまなスキルが求められ、業務を通じて得るものも多いのです。

人事の面から企業をリードする最高人事責任者・CHRO

今、人事に新たな変化が起きています。
これまでよりも人事に強さが求められるようになり、新たなポストや言葉が注目されるようになっています。

新たに注目されるポストCHROとは

近年、人事の業務で聞かれるようになったのは、CHRO(最高人事責任者)というポストや戦略人事という言葉です。
これまでの人事は経営陣が立案した方針や戦略に沿って採用・育成・管理を行なってきたのに対して、CHROは人事面から戦略を考えて実行していきます。
グローバル化が進むビジネスの世界で日本が競争力を高めるには、世界に通用するリーダーが必要になります。
そうした人材を育成するために、企業を人事の面で牽引していくのがCHROです。
実務的ではなく、経営的な責任を持つ役職です。

まだ今の日本ではCHROという役職を設定している企業は限られています。
それにはいくつかの要因がありますが、CEO(最高経営責任者)が兼任している場合が多いことや、CHROとなるべき人材が不足していることなどが考えられるでしょう。
CHROには非常に広い知識とスキルが求められるのです。

今後の人事の役割と戦略

労働人口の減少や転職の増加などから、優秀な人材を確保することはこれからの企業の重要課題となるでしょう。
『人』がもっとも大切な資源となっています。
今までのように、人手が足りないから採用を行うというスタンスでは、いつまで経っても優秀な人材を育て、定着させることは難しいでしょう。
これまで人事部が行なっていた業務を超える役割や権限が必要になります。
それをCHROが持ち、経営的な判断も含めて行うのが、人事戦略です。

知っておくべき人事の知識

人事の業務は、仕事の幅が広いのが特徴です。
募集や採用、育成、そして退社に至るまで、さまざまな手続きに対応する必要があります。
さらに勤務におけるトラブルや労働管理についても都度の対応や処理を行うことになります。

そして、労働については法律が制定されている部分も多いため、その知識も必要です。

ここでは人事として最低限知っておくべき労働に関する法令、「労働三法」と「労働三権」についてお伝えしていきます。

労働三法

労働三法とは、労働者を守るための「労働基準法」「労働組合法」「労働関係調整法」という3つの法律の総称です。

1. 労働基準法
労働条件に関する最低基準を定めたもので、労働時間や賃金の支払い、休日などの規定を言います。正社員だけでなくすべての労働者が対象です。

2. 労働組合法
労働者の地位向上を目的に、会社(使用者)と対等に話し合いや交渉ができるように労働組合をつくることを保障した法律です。

3. 労働関係調整法
労働組合法と関連しつつ、労働者と会社(使用者)間の争いごとを予防・解決することを目的とした法律です。

労働三権

労働三権とは、憲法28条で保障された労働者の基本的権利で、地位を守るものです。
以下の3つを指します。

1. 団結権
労働者が勤務条件の維持や改善などのために労働組合を結成する権利です。

2. 団体交渉権
労働者が結成した労働組合が、使用者(会社)と交渉する権利です。

3. 団体行動権
労働組合が交渉以外にストライキや集会を行える権利です。

人事の魅力、やりがい

企業が成長するために一番重要なのは人と言われています。
その人材を育成する立場にある人事業務は大変やりがいのあるものです。

また、多くの人とつながりを持てるのも魅力の一つです。
業務のなかで会社の組織づくりに参加するなどの機会も多いため、会社を基盤から支える実感も得られます。
さらに、自分の業務だけでなく、かかわった人の成功や成果で充実感や達成感を味わえるのも人事ならではといえるでしょう。
こういった経験の積み重ねは、人事としての自信にもつながっていくはずです。

ここまでご紹介してきたように、人事とはさまざまな役割があり、求められるものも幅広い仕事です。
また、表舞台に立つことは少ないかもしれません。
しかし、採用や育成を通じて自社を支えることが、この仕事の大きな価値といえるでしょう。

日本の人事が抱える課題

少子高齢化による労働人口の減少は年々深刻化しています。
加えて、キャリアアップ、スキル向上などを目的とした転職が一般化してきました。
働き方も多様化し、かつてのような終身雇用、年功序列という日本ならではの働き方が変わりつつあります。

実際に、大卒者の離職率は高まり、入社後3年以内に離職する早期離職は30%を超えています(厚生労働省:新規学卒就職者の離職状況)。
入社して1年以内で辞める割合は11~12%ですが、この数字は実は1970年代からそれほど変化していません。
しかし、人口が減っているのに数字が変わらないということが問題なのです。

2035年問題という言葉を聞いたことがある方もいるでしょう。
2025年から団塊世代が後期高齢者(75歳以上)となり始め、2035年には団塊ジュニアが65歳以上になると人口全体の33.4%、3人に1人が高齢者となるといわれています。
これにより、介護や医療、年金、経済への影響が懸念されているのです。
介護が必要な人が増えても、それを担うための介護職員が足りず、医療についても同様に医者看護師、病院や病床も不足すると予想されています。
年金制度のバランスが崩れ、労働者不足で経済にもダメージが大きいでしょう。
今後はさらに人材の確保が難しくなっていくのです。

では、なぜ早期離職を選ぶ人が多いのでしょう。
離職者はいくつかのタイプに分かれますが、大きく分けて4タイプです。

1. 賃金や労働条件などが合わない場合
2. 思っていた以上の成果を求められる、会社の将来性に不安があるという場合
(入社後にわかる)
3. 上司や同僚と合わないなど、会社側の問題
4. 家庭の事情やスキルアップを目指すなど、社員側の問題

もちろん、やむを得ない理由もあります。
しかし、スキルアップや人間関係など企業側で対処可能なものも多いのではないでしょうか。

人事の仕事は幅広く大変ですが、現場の協力も仰ぎ、会社全体で人を育てていくような仕組みづくりを目指すとよいでしょう。

人事の強力な助っ人・社会保険労務士に相談しよう

働き方改革の推進、コロナ禍による変化、多様な働き方の増加などにより、人事の業務範囲が広がったことで、これまで以上に負担が増えています。
労務管理なども重要ですが、これまでお伝えしてきたように、人事の仕事で最も重要なのは、人を採用し、育て、維持すること。

労務管理の負担が増えてしまうと、これらの業務に支障が出てしまうかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、人事労務の専門家である社会保険労務士への相談です。

社会保険労務士は、労働社会保険諸法令に基づく書類の作成や、労務管理のコンサルティングを行う国家資格者です。
複雑な給与計算や社会保険の手続き、法改正に伴う就業規則の改定などを外部のプロに委託することで、人事担当者は「人材育成」や「組織開発」といった、よりクリエイティブで戦略的な業務に集中できるようになります。
また、最新の法改正情報に基づいたアドバイスを受けることで、コンプライアンス違反によるリスクを未然に防ぎ、従業員が安心して働ける環境を盤石なものにできる点も大きなメリットです。

もし、人事労務の頼れるパートナーをお探しなら、ぜひACCS社会保険労務士法人にお気軽にご相談ください。

企業が成長する過程で、採用・定着・労務リスクといった「人」に関する課題は必ず複雑化していきます。
私たちACCS社会保険労務士法人は、単なる事務手続きの代行にとどまらず、就業規則の作成や36協定の整備はもちろん、人事評価制度の構築からその運用・定着までをトータルでサポートいたします。

未払い残業代やハラスメントなどの労働トラブルを未然に防ぐリスクマネジメントを行い、貴社が本業に専念できる「強い組織づくり」を全力でお手伝いすることをお約束します。

ACCS社会保険労務士法人に相談する

これからの人事に必要とされる戦略人事とは

先述のCHROで、これからの時代は優秀な人材の確保と維持がさらに難しくなることをお伝えしました。
人材を最大限に活かすことで経営戦略を実現するのが戦略人事(戦略的人的資源管理)です。
それが具体的にどのようなものか、これからの人事は知っておく必要があります。

戦略人事は企業が持つ資源「人・金・モノ」のうちの人に注目し、人的マネジメントによって企業の目的達成をサポートします。
従来の人事と異なり、採用や育成、人材配置の際にも経営的な目線を持った業務進行をしなくてはなりません。
管理を中心とした部門から、戦略的な業務を行う部門へと変わっていくことが求められているのです。

しかし、日本ではまだ戦略人事を取り入れている企業は多くありません。
戦略人事の重要性について認識しつつも、導入や実施に至っていないのが現実です。
その原因には、「人事部門は理解していても経営陣がまだ認識していない」「リソースや能力の不足」などの問題があるようです。

戦略人事を提唱したデイビッド・ウルリッチ氏によると、戦略人事を構成するのは4つの人事機能だといいます。

・HRBP(HRビジネスパートナー)
 ――事業戦略を理解しつつ、人事と組織の戦略を立案・実行できる経営者のパートナー
・CoE(センターオブエクセレンス)
 ――人事制度の設計や制度づくりを行い、HRBPを支える
・Ops(オペレーション部門)
 ――人事の実務を行う
・OD&TD(組織開発&タレント開発)
 ――組織を率いて企業の次世代のリーダーを育成していく

もちろん、こういった機能をすぐに社内に整えていくことは難しいかもしれませんが、CHROや戦略人事の役割などを意識していくことは、今後の自社の人事部門にとってとても重要なことになるはずです。

まとめ

人事には、これまでのような管理の仕事に加え、新たな業務も増えています。
時代の流れに合わせて働き方や採用方法などが変われば、人事の業務内容や役割も変化していきます。
今後はさらに人材の採用、教育、そして優秀な人材の定着が企業の課題となるでしょう。
その時に労務管理に追われて人事が機能しないと、大切に育てた人を失うということにもなりかねません。

今回ご紹介した人事の基礎や役割、求められるスキルについてあらためて確認することはもちろん、新たなポストCHRや戦略人事など、これからの企業に必要となることについても学んでおくことは人事としてとても重要です。
今後目指すべき道も見えてくるでしょう。

社会保険労務士をはじめとした外部の専門家の力を借りながら、実務の効率化と組織の活性化を両立させ、時代の変化に左右されない「強い人事」を築いていきましょう。
企業を支える「人」の可能性を最大化させることこそが、人事という仕事の最大の醍醐味であり、会社の未来を切り拓くカギとなるはずです。


お役立ちコラム

助成金申請に就業規則は必須?作成・見直しが必要なタイミングと注意点を解説

「キャリアアップ助成金を申請したいが、今の就業規則で通るのか?」「従業員が増えてきたが、就業規則はいつ作成すべきか?」といった悩みを抱える経営者は少なくありません。
助成金受給において、就業規則は審査の「土台」となる最重要書類です。

この記事では、助成金申請と就業規則の関係性から、見直しが必要な5つのタイミングや、専門家へ作成代行を依頼するメリットまで、実務の観点からわかりやすく解説します。

キャリアアップ助成金などの申請に、就業規則の作成は必要?

キャリアアップ助成金などの申請には、従業員の人数にかかわらず就業規則の作成が実質的な「絶対条件」となります。
「従業員が10人未満だから不要」という考えは、助成金申請においては通用しません。

1. 助成金審査の「要」はルールの明文化
助成金は、正社員化などの施策を「公式ルール」として導入した企業に支給されます。
審査では「就業規則に制度が明記されているか」が厳格にチェックされるため、規則がない状態では申請すら受理されません。

2. 10人未満でも作成が必要な理由
労働基準法上の届出義務がなくても、助成金申請では「労働条件の明文化」が必須です。
10人未満の事業所であっても、労働基準監督署の受付印がある規則の提出を求められるケースが大半です。
法律上の義務と受給要件は別物ととらえるべきです。

3. 「雇用契約書」との食い違いは不支給リスク
規則を作成しても、個別の雇用契約書と内容が矛盾していると不支給リスクが高まります。
「就業規則では手当あり、契約書ではなし」といった不一致は、労務管理が不適切とみなされます。
申請前には、必ず社内規定と個人との契約を整合させましょう。

助成金活用は、会社のルールを整える好機です。
「攻め」の受給と「守り」の労務管理を両立させるため、まずは実態に即した就業規則の作成から始めましょう。

就業規則の作成・見直しが必要な5つの重要なタイミング

「一度作成したから安心」と放置していませんか?
就業規則をアップデートせずにいると、助成金が受給できないだけでなく、思わぬ労務リスクを抱えることになります。
以下の5つのタイミングに該当する場合は、すぐに内容を確認しましょう。

1. 助成金の新規申請を検討したとき
キャリアアップ助成金などは、「要件を満たす規定が規則に明記されていること」が受給の絶対条件です。
正社員転換制度が未記載、あるいは古いままでは、どれだけ実績があっても申請すら受理されません。

2. 法改正が行われたとき
育児・介護休業法や働き方改革関連法など、労働法制は頻繁に改正されます。
最新の法改正に対応していない規則は、内容が無効になるだけでなく、コンプライアンス違反として企業の信頼を損なうおそれがあります。

3. 従業員数が10名に達した(達しそうな)とき
従業員が常時10名以上になると、就業規則の作成と労働基準監督署への届出が法律で義務づけられます。
「そろそろ10人になりそうだ」という時期が、正式なルールを整備すべき法的な期限です。

4. 労務トラブルのリスクを減らしたいとき
SNS利用による炎上や、カスハラ(カスタマーハラスメント)、メンタルヘルスに伴う休職など、トラブルの内容は時代とともに変化しています。
これらに対する規定が不十分だと、問題発生時に会社を守ることができません。

5. 働き方が多様化したとき
テレワークの導入、副業の解禁、フレックスタイム制の採用など、社内の仕組みを変える際は規則との整合性が不可欠です。
現場の運用とルールが食い違っていると、深刻なトラブルの引き金となります。

就業規則は会社と従業員を守る「契約書」です。
自社の実態とルールが乖離していないか、この機会にぜひチェックしてみてください。


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不備があると不支給に?助成金審査でチェックされるポイント

助成金申請において、就業規則は審査の核心です。
施策を実施しても、就業規則の内容に不備があれば不支給となるリスクがあります。
審査で特に重視されるポイントを絞って解説します。

1. 最新の法改正への対応
古い規則のままでは「法令遵守」ができていない状態とみなされます。
育児・介護休業法の改正や、残業代の割増率など、最新の法的基準をクリアしていることが受給の大前提です。

2. 実態と規則の整合性
「規則の記述」と「給与・勤務実態」が矛盾していると厳しく追及されます。
手当の計算方法や固定残業代の設定が、賃金台帳や出勤簿と1円単位の計算、および法律に則った1分単位の労働時間管理と一致しているか、精緻な確認が必要です。

3. 適正な周知プロセス
規則は作成しただけでは無効です。
労働者代表からの意見聴取や、従業員がいつでも閲覧できる状態にあるかといった「周知の事実」が、公的支援を受けるための必須条件となります。

助成金審査は厳格化しています。
確実な受給には、専門家のチェックを通じて法適合性と実態との整合性を完璧に整えることが不可欠です。

就業規則作成を社会保険労務士などの専門家へ代行を依頼するメリット

就業規則は自作も可能ですが、受給やリスク管理を確実にするなら社会保険労務士への依頼が賢明です。
プロに外注することで得られる主なメリットを整理します。

1. 助成金受給率の向上
助成金審査は厳格で、一文字の記載ミスが不支給に直結します。
専門家は「受給要件を満たす条文構成」を熟知しているため、受給の可能性を最大化できます。
申請に特化した規程の整備は、プロならではの強みです。

2. 法改正への迅速な対応とリスク回避
労働法制は頻繁に改正されます。
専門家へ依頼すれば、常に最新の法令に適合した規則を維持でき、古い雛形を使い続けることによる法的リスクを払拭できます。
改正のたびに自社で調べ直す手間もありません。

3. 経営リソースの集中と信頼構築
複雑な書類作成を外注することで、経営者は本業の意思決定に集中できます。
また、プロの視点による客観的で公平なルールづくりは、従業員の安心感につながり、無用な労務トラブルを未然に防ぐ「組織の安定」にも貢献します。

就業規則は会社を守る盾です。
不備による不支給や紛争を避けるためにも、プロの知見を活用して、会社の成長を支える強固な基盤を構築しましょう。

適切な就業規則が会社を守り、助成金活用を加速させる

就業規則は単なる提出書類ではなく、紛争から会社を救う「守護神」であり、助成金を引き寄せる「最強のツール」です。
助成金申請を機に規則を見直すことは、公的支援を受けながら組織を最新の状態へアップデートする絶好のチャンスとなります。
まずは現在の規則が最新の法令や受給要件に適合しているか、プロの視点で確認することから始めましょう。


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お役立ちコラム

制服代の自己負担はどこまで可能?給与天引きの法的ルールと就業規則の書き方

Q.当社は飲食店を経営しており、制服代として毎月300円を給料から天引きしています。
しかし、従業員から「仕事で使うものを個人が負担するのは違法ではないか?」という意見が出ました。
給料から天引きするのは違法なのでしょうか?

A.結論からいうと、適切な手続きを踏めば可能ですが、勝手に行うと違法となる可能性が高いです。

労使協定の締結が必須

『賃金支払の原則』の一つとして、労働基準法第24条第1項にて『賃金は、全額を支払わなければならない』と定められています。
つまり、制服代などを勝手に賃金から天引きすることは禁じられています。
ただし、以下のケースについては天引きが認められています。

(1)社会保険料や税金など、法令に定めがある場合
(2)労働組合(※1)と労使協定を締結した場合

※1
労働者の過半数で組織される労働組合。なお、労働組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者。

したがって、『制服代を給料から天引きすること』をあらかじめ労使協定で締結している場合、労働基準法第24条に関しては『違反ではない』といえます。

ただし、たとえ労使協定を締結し、本人の同意があったとしても、制服代を天引きした結果、残りの賃金を労働時間で割った単価が「最低賃金」を下回ることは許されません。
天引き後の実質賃金が、最低賃金を下回らないよう注意が必要です。

雇用契約書などへの明記が不可欠

労働基準法第15条第1項にて『使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない』と定められています。
なお、この『その他の労働条件』には、『労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項』も含まれると労働基準法施行規則第5条に規定されています。

そのため、雇用契約書や労働条件通知書などに『制服代を給料から天引きする旨』を明示し、雇用契約の際に従業員から同意を得ていれば、労働基準法第15条にも『違反していない』といえるでしょう。

就業規則への記載がない天引きは無効?

常時10人以上の労働者を使用する場合には、就業規則を作成し、行政官庁(労働基準監督署)に届け出る義務があります。
そして、就業規則の相対的必要記載事項(※2)として、『労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項』を必ず明記しなければなりません(労働基準法第89条)。

※2
定めをする場合、必ず記載しなければならない事項。

つまり、就業規則に『制服代を給料から天引きする旨』を規定していれば、労働基準法第89条についても『違法ではない』といえます。

高額な自己負担額はNG?

以上のことから、労働組合または、労働者の過半数を代表する者と労使協定を締結し、雇用契約書や就業規則に『給与から天引きする旨』を明記していれば、違法とはならないでしょう。
ただし、常識的な金額から逸脱する『高額な自己負担額』は認められない可能性もあるので注意が必要です。

制服代などを給料から天引きする場合は、必ず雇用契約書などに明示したうえで、雇用契約をする前に従業員に口頭でも説明するとよいでしょう。


お役立ちコラム

就業規則を作成しないと労使トラブルが起きた時に困る!よくある労使トラブルと回避方法を紹介

「うちは小さな会社だから就業規則なんて必要ない」

——その油断が、労使トラブルを招く最大の原因です。
突然の残業代請求、パワハラの訴え、不当解雇の主張……。
そのとき、ルールがなければ会社は一気に不利に。

この記事では、実際によくある労使トラブルの事例と、それを未然に防ぐための「就業規則の力」をご紹介します。備えあれば憂いなし、労使トラブルはルールで防げます。

労使トラブルとは?

労使トラブルとは、会社と従業員の間で起こる労働条件などの対立や問題を指します。
たとえば「残業代が支払われない」といった未払い問題は典型的な例です。

なぜ労使トラブルが起こるのか?
・契約やルールがあいまい
・就業規則が整備・周知されていない
・上司の対応に納得できない
こうした場合に誤解・不信感が生まれ、トラブルに発展します。

労使トラブルが影響する範囲は?
・従業員側:ストレス、離職、収入減
・企業側:訴訟・炎上、信頼低下、採用難

労使トラブルは現代の課題です。
かつては「空気で察する」職場が多かったですが、今は権利意識の高まりや働き方の多様化により、明文化されたルールが求められる時代です。

就業規則の整備こそ、最大の労使トラブル予防策です。

就業規則と労使トラブルの関係

労使トラブルの多くは「ルールがない」から起きる企業と従業員の間で起こる「労使トラブル」です。
原因の多くは、就業規則がない・曖昧・周知されていないことです。

労使トラブルとは?
たとえば下記のようなものです。
・解雇・退職の揉め事
・残業代の未払い
・ハラスメント
・副業の禁止や制限
・育休復帰のタイミング など

なぜ労使トラブルの話で就業規則が話題に?
就業規則は企業のルールブックです。
たとえ合理的な処分でも、就業規則に明記されていなければ無効になる可能性があります。

雇用の多様化でルール整備が必須に
労働者として正社員だけでなく、パート・アルバイト・副業従事者も増加している昨今、待遇の違いからトラブルが生じやすくなっています。
→ 就業規則があれば、対応に一貫性を持たせ、誤解や不公平感を防げます。

裁判でも就業規則がカギに
労使トラブルが裁判に発展すると、
・就業規則の有無
・内容の合理性
・従業員への周知状況
が、会社の主張の信頼性を左右します。

就業規則がなければ、労使トラブルを予防することも、対応することも難しくなります。

労使協定と就業規則の関係

就業規則と労使協定は、企業の労務管理に不可欠な社内ルールですが、それぞれ性質や効力に違いがあります。

就業規則と労使協定の違い
就業規則は企業が一方的に定める労働条件の基本ルールで、労働時間・賃金・休暇・退職などを記載しており、従業員10人以上で作成義務があります。
労使協定は企業と労働者代表が合意の上で締結するもので、36協定のように法律の例外を許す「特例的ルール」として機能します。

法律との関係と優先順位
就業規則も労使協定も、上位法に反する内容では効力を持ちません。
優先されるのは以下の順序です。
1. 憲法
2. 法律(労働基準法など)
3. 条例・条約
4. 労使協定
5. 就業規則
たとえ労使合意があっても、労働基準法より不利な内容は無効です。

労使トラブル時に重視されるのは?
トラブルが裁判などに発展した場合、重視されるのは法令とその適用です。
就業規則や労使協定が古かったり、従業員に周知されていなかったりすれば、会社が不利になる可能性が高くなります。

就業規則も労使協定も、法令の枠内で適切に整備・運用されてこそ、その力を発揮します。
ルールの『中身』と『伝わり方』の両面が重要です。

労使トラブルが起こったときに就業規則がないとどうなる?

就業規則が整備されていないと、企業と従業員の間で認識のズレが起きやすく、それが労使トラブルの火種になります。

退職時の労使トラブルを例にあげて詳しく見ていきましょう。
■ 退職時の労使 トラブルの例
・退職時の対応が曖昧
 → 退職希望日や引き継ぎ方法で揉める
・副業の可否が不明
 → 従業員が副業していたことで懲戒処分、しかしルールがなく無効になるケースも
・遅刻・欠勤の扱いが不明確
 → 勤怠のルールを巡って不公平感が生まれる

■ 従業員にとってのリスク
・自分の権利が守られていないと感じる
・処分や評価の理由が曖昧で、不安・不信が募る
・結果としてモチベーションの低下や離職につながる

■ 企業にとってのリスク
・解雇や懲戒の正当性を証明できず、裁判で不利になる可能性
・就業規則が未整備だと、助成金の申請ができない場合が多く、経営上の損失に

ルールがなければ、トラブル解決も困難になります。
就業規則は、企業と従業員の共通のルールブックです。
これがなければ、トラブルが起きた際にも判断の拠り所がなく、感情的な対立に発展しやすくなります。

就業規則を作成することで労使トラブルを回避できる!

「就業規則を整備すれば、労使トラブルを100%防げるのか?」
この問いに対する答えはNOですが、それでも会社を守る「盾」になるのは間違いありません。

■ ルールがあれば、ブレないで対応できる
たとえば、以下のような場面で効果を発揮します。
・懲戒処分の基準が明文化されていれば、処分の妥当性を示せる
・残業代の支払いルールが定められていれば、請求トラブルを防ぎやすい
・有給休暇の取得についての運用方針を周知していれば、対応に一貫性が出る
就業規則による明確なルールがあることで、従業員との認識のズレを防ぎやすくなり、 労使トラブルの予防策として非常に有効です。

■ 裁判でも有利に働く「証拠」になる
万が一、労使トラブルが裁判や労働審判に発展した場合でも、
・合理的な内容であること
・従業員に周知されていること
この2点を満たした就業規則があれば、会社の主張に法的な正当性が生まれます。

■ 就業規則は「経営の安全装置」
・トラブルの発生を未然に減らす
・万一発生しても、有利に進められる
就業規則は、企業にとって欠かせないリスク管理ツールです。

就業規則 作成 メリット

よくある労使トラブル

1. 残業代・賃金に関する労使トラブル
労働基準法で定める時間外労働・割増賃金の支払いなどが守られないケースです。
企業と従業員の間で「勤務実態」と「支払い要件」のズレがトラブルに発展します。
たとえば、使用時間と賃金が明確にされておらず、未払い請求や是正勧告が行われることがあります。

2. 解雇・懲戒に関する労使トラブル
就業規則・労働契約に明記されていない懲戒や解雇を巡って、従業員側が「合理的理由がない」と主張するケースです。
裁判や労働審判では、就業規則の有無・条文内容・説明・周知が重要な判断材料になります。

3. ハラスメント・休職・復職に関する労使トラブル
パワハラ・セクハラ、メンタル不調による休職後の扱い、復職時の条件などがあいまいなために発生します。
こうした労使トラブルでは、従業員の心理的ダメージだけでなく、企業イメージや採用にも大きな影響が及びます。

統計データから見る「労使トラブルが発生しやすい状況」
・厚生労働省の「労使コミュニケーション調査」では、労使間の意思疎通・苦情処理機関の整備などがテーマとしてあげられています。
・同省の「労使間の交渉等に関する実態調査」では、正社員以外の労働者の待遇・交渉状況が調査されており、非正規雇用を巡るトラブルの比率が高いことも示唆されています。

これらのデータは、労使トラブルが起きやすい 構造的な背景を示しています。
言い換えれば、「ルールが曖昧/周知が不十分」「複数の雇用形態が混在」「個別対応で対応されてきた」という職場では、特に労使トラブルが起きやすいということです。
就業規則が整備されていない・実状とズレがあるという企業では、ぜひ見直しを検討することをおすすめします。

引用元:厚生労働省「令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況

“総合労働相談件数は高止まり。助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数は前年度より増加。総合労働相談件数は121万412件で、4年連続で120万件を超え、高止まり。”

このように、総合労働相談は年間120万件を超えて、個別労働関係紛争の相談も26万件を超えています。
労使トラブルが起こってしまってから対抗するルールを定めても遅いのです。
明日は我が身と考えて早めに対策しておくことが大切です。

もし労使トラブルが起きてしまったら

就業規則がある場合の対応方法
就業規則が整備されていれば、以下のようにスムーズな対応が可能です。
・就業規則を根拠に事実関係を確認
 → トラブルの原因が「ルール違反」か「制度のあいまいさ」なのかを整理できます。
・当該ルールをもとに適切な処分・対応を実施
 → 懲戒処分や警告、再発防止策を明文化された手順で進められます。
・裁判・労働審判でも有利に進めやすい
 → 「合理的なルールがあったか」が判断基準になるため、防御力が高まります。

就業規則がない場合の対応方法
就業規則が未整備の場合、対応は難航しがちです。
・ルールの不在で対応基準が曖昧
 → トラブルの判断が個人の主観に依存しやすく、感情的対立になりやすい傾向にあります。
・解雇や懲戒の根拠が不十分
 → 不当解雇とされるリスクが高く、法的リスクも大きくなります。
・トラブルが長期化・泥沼化しやすい
 → 話し合いがまとまらず、労働局・労働審判・裁判へと発展するケースもあります。

まとめ

就業規則がないままでは、トラブルの『火種』を放置しているのと同じです。
解雇・残業代・ハラスメント・副業──現代の労使トラブルは複雑化し、一度もめれば金銭・時間・信頼すべてに大きな損失が生じます。

ACCS社会保険労務士法人では、豊富な実績をもとに、御社の現場に即したトラブル回避型の就業規則を提案・作成します。

トラブルが起こる前に、今すぐご相談を!
将来の安心は、「ルールづくり」から始まります。


お役立ちコラム

就業規則を作成しないと助成金がもらえない?

「助成金を申請したい。でも、就業規則が古いまま……」
「そもそも作っていない……」

——そんな不安を抱える中小企業の方は少なくありません。

実は、雇用関係助成金や働き方改革推進支援助成金など、多くの助成金の申請において、「就業規則の整備・明記」が申請条件に含まれていることがあるのです。
つまり、ルールがなければ、お金ももらえない可能性があるということです。

せっかくの支援制度を「書類不備」で逃す前に、まずは就業規則の見直し・作成から始めましょう。
今こそ「制度の整備=経営の武器」です。

結論:就業規則がないと、助成金の受給はほぼ「不可能」

中小企業にとって貴重な助成金制度。
しかしその多くは「就業規則の整備」が支給条件です。
就業規則を作成していなければ、そもそもスタートラインに立てないこともありえます。

また、作成済みでも制度に対応していない内容や古い規定ではNGです。
『形だけ』の就業規則では通用せず、助成金の要件を満たす内容であることが重要です。

「まだ作っていない」「昔のまま」という場合は、今すぐ見直ししましょう。
チャンスを逃さないための第一歩です。

就業規則と助成金の関係

助成金は、厚生労働省が所管し、主に「雇用関係助成金」としてハローワークや労働局などを通じて支給されます。
これらの助成金を受給する際、就業規則の整備は「必須条件」となるケースが非常に多いのが現状です。

なぜ就業規則が関係するのかというと、助成金は新たな雇用制度や職場環境の整備に対して支給される制度だからです。
つまり、「実施している」だけではなく、社内規程(=就業規則)に明記していることが、その実施の『証明』として求められるのです。

たとえば以下のような助成金では、特定の制度が就業規則に明文化されていることが支給の前提になります。

助成金名 求められる就業規則の内容
キャリアアップ助成金 契約社員やパートタイマーを正社員に転換する制度の明記
両立支援等助成金 育児休業・介護休業・時短勤務制度などの規定整備
人材確保等支援助成金 福利厚生・働き方改革制度などの導入と明文化
働き方改革推進支援助成金 時間外労働の上限設定・年次有給休暇取得促進の制度化

たとえば「正社員転換制度」を導入する場合、対象者・転換要件・実施時期などを就業規則に明記しているかどうかが審査の分かれ目になります。

就業規則を作成しないと助成金がもらえないと言われる理由

多くの助成金では、制度の導入内容を就業規則に明記していることが条件となっており、未整備だと「制度が証明できない」とされるからです。

例:
・キャリアアップ助成金 → 正社員転換制度の明記が必要
・両立支援等助成金 → 育児・介護制度の明文化が必要

つまり、助成金を活用するなら就業規則の整備は必須です。
小規模企業でも、早めの作成が損を防ぐ第一歩となります。

やみくもに就業規則を作成するだけでは助成金の申請が通らないこともある!

就業規則が「ある」だけでは、助成金の申請は通りません。
助成金の制度ごとに必要な内容を盛り込んだ『実効性のある就業規則』であることが必須条件です。
たとえば、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の場合、以下のような内容が就業規則に明記されている必要があります。

就業規則に必要な内容(例:正社員化コース)
・有期雇用から正社員への転換制度を定めていること
 (転換の対象者・タイミング・手続きが明確になっている)

・正社員と非正規社員の待遇差が分かる労働条件の明示
 (賃金・賞与・手当・労働時間など)

・制度の周知と実施実績
 (実際に制度を適用した記録や通知書類などが必要)

上記のような具体的かつ制度運用が確認できる内容が欠けている場合、申請しても不支給となる可能性が高くなります。

「とりあえず作った就業規則」では対応しきれません。
助成金の要件に対応した設計と文言が必要です。

制度に合った就業規則の作成は、労務の専門家への相談をおすすめします。

既に就業規則が在る場合でも、助成金に対応できているか見直しが必要

「うちは就業規則をちゃんと作ってあるから大丈夫」――本当にそうでしょうか?

助成金の申請には、制度の『実施』だけでなく「規定の整備」も審査対象となります。
しかし、内容が古いまま放置されている就業規則では、申請が通らないケースが増えています。

✅ 助成金申請前に見直しておくべき主なポイント
・雇用形態転換制度の規定
 例:有期雇用から正社員への転換ルール(キャリアアップ助成金)

・育児・介護休業に関する規定
 例:育児休業の取得要件や対象範囲(両立支援等助成金)

・時間外労働・年次有給休暇の管理方法
 例:残業時間の上限・有休5日取得義務への対応(働き方改革推進支援助成金)

・テレワークや副業に関する取り扱い
 時代に合わせた柔軟な働き方への対応が求められるケースが増加中

助成金の制度は毎年のように更新されており、それに就業規則も対応している必要があります。

すでに就業規則がある企業こそ、定期的な見直しとアップデートが不可欠です。見直しの際は、助成金制度に精通した社会保険労務士への相談が最も確実です。

助成金に対応した就業規則を作成しよう

助成金を受給するためには、就業規則に「制度の内容」がしっかり記載されていることが条件になるケースが多くあります。たとえば、正社員転換制度や育児休業制度の整備は、その代表例です。

でも実は、それだけではありません。

助成金対応の就業規則にはこんなメリットもあります。

・労使トラブルを未然に防げる(ルールが明確になる)
・従業員の安心感アップ(待遇や制度の可視化)
・社内制度の見直し・整理ができる(働きやすい職場づくりに)
・採用面でも好印象(法令順守の姿勢が伝わる)

「助成金をもらうため」だけでなく、会社の基盤を整えるチャンスとして、就業規則の見直しや作成を検討してみましょう。

就業規則の作成方法

助成金に対応した就業規則とは?

助成金に対応した就業規則とは、助成金の支給要件を満たす制度内容が明確に盛り込まれている就業規則のことを指します。

✅ たとえば、こんな就業規則が「対応済み」
・【キャリアアップ助成金】
 →「正社員転換制度」が明記されている
・【両立支援等助成金】
 →「育児・介護休業制度」が具体的に記載されている
・【働き方改革推進支援助成金】
  →「テレワーク勤務制度」「副業可否のルール」が定められている

❌ 一方で、こんな就業規則は「非対応」
・古くて法改正に対応していない(例:改正育児介護休業法未反映)
・制度の記載があいまいで、運用ルールが明文化されていない
・実態と乖離していて、助成金申請時に証拠として使えない

助成金を申請したい企業は、単に「就業規則がある」だけでなく、助成金要件にマッチした内容かを確認・見直すことが重要です。

助成金に対応した就業規則を作成する方法と依頼先

助成金を受給するためには、「対応した就業規則」の作成が欠かせません。
以下の流れで進めるとスムーズです。

✅ 就業規則作成の流れ
1. 活用できる助成金を探す
  → 厚生労働省のHPや社会保険労務士事務所の情報が参考になります。
2. 助成金の申請条件を確認する
  → 対象者の要件や、就業規則への明記が求められる内容をチェック。
3. 就業規則の設計・見直し
  → 条文に制度の導入内容や運用ルールを具体的に記載。
4. 専門家に相談する(推奨)
  → 書類の整合性や要件の満たし方に不安があれば、社会保険労務士に相談を。
5. 労働基準監督署へ届け出る

📝 おすすめの依頼先は「経験豊富な社会保険労務士事務所」
理由はシンプルです。
・助成金の要件や最新情報を熟知している
・審査傾向や落とし穴も把握している
・就業規則の設計・作成・届け出までワンストップ対応できる

はじめて助成金を活用する場合は、無理に自社だけで進めず、実績のある社会保険労務士に相談することが成功の近道です。

就業規則を改定するか、作り直すかどっちがいい?費用や工数、メリットなどを比較

〜費用・工数・メリットで比較〜
就業規則がすでにある企業の場合、「作り直し」よりも一部改定のほうが一般的にはおすすめです。

✅ 改定のメリット
・必要な部分だけを見直せばOK
・費用や時間を大幅に削減できる
・実態や法改正に合わせて柔軟に対応できる

❌ 作り直しが必要なケース
・内容が古すぎて現行制度に対応していない
・条文が曖昧・体系がバラバラで修正よりも再構築が早い
・助成金申請などで正確かつ最新の制度明記が求められる

結論:
就業規則がベースとして機能しているなら「改定」で十分です。
ただし、内容次第では一から作り直したほうが効率的な場合もあります。
判断に迷うときは、社会保険労務士などの専門家に相談するのが安心です。

まとめ

多くの助成金は「就業規則に制度が明記されていること」が申請条件。
つまり、就業規則がない=受給資格がないも同然です。
さらに、古いまま放置された就業規則では申請が通らないケースも少なくありません。

📣 今すぐ、就業規則をチェック!
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「助成金に対応しているか分からない」
そんな方は、実績豊富な社会保険労務士に相談するのが最短ルートです。
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お役立ちコラム

就業規則を作成するメリット・デメリットを解説

「トラブルが起きてからでは遅い。」
就業規則は、会社と従業員を守る『見えない盾』です。
知らなかった・決まってなかった──それだけで裁判や損害に発展する今、就業規則の整備は「任意」ではなく「必須の備え」と言えるでしょう。

この記事では、そのメリットとデメリットをわかりやすく解説します。

就業規則を作成するメリットとは?

就業規則は、法律で義務づけられているから仕方なく作るもの——
そう思っている方も多いかもしれません。
しかし、就業規則を作成・整備することは、会社経営にとって非常に大きなメリットがあります。

たとえば、労使トラブルの予防、助成金の申請、人件費の抑制、従業員の安心感の向上など、経営リスクの回避から生産性の向上まで、幅広い効果が期待できます。

特に、労務リスクの高まる現代においては、「きちんと就業規則が整っているかどうか」が、企業の信頼性を左右する要素にもなっています。

このページでは、就業規則を作成することのメリット、あるいは、作成しないことのデメリットについて、実務に即してわかりやすく解説していきます。

就業規則を作成することで回避できる労使トラブル

就業規則を作成するデメリットとは?

作成前に押さえておきたい注意点

就業規則には多くのメリットがありますが、作成や運用に一定の負担があるのも事実です。
ここでは主なデメリットを簡潔にご紹介します。

1. 作成に費用がかかる
社会保険労務士に依頼すると10~30万円前後の費用がかかることもあります。
自作する場合でも法的整合性の確認が必要です。

2. 工数・時間がかかる
労働条件の整理や条文設計など、現状把握から完成まで多くの工程が発生します。
複数部署が関与する場合はさらに複雑になります。

3. 従業員への「周知」が必要
作成後は、掲示や配布などでの周知が義務となっています(労働基準法第106条)。
「作って終わり」ではなく、従業員が内容を理解できる状態にする必要があります。

4. 定期的な見直しが必要
法律改正や制度変更に対応するため、継続的なメンテナンスが不可欠です。
対応しないと、内容が実態とずれてしまうおそれがあります。

5. 従業員の合意に時間がかかることも
ルールが不利益変更と受け取られると反発が起こる場合もありえます。
副業制限や懲戒規定などは特に慎重な説明が必要です。

それでも就業規則は作るべき

手間や費用はかかりますが、トラブル予防・リスク管理・信頼性向上などのメリットはそれ以上です。
就業規則は「会社を守る盾」として、経営における重要な投資といえます。

就業規則を作成しないメリットとは?

就業規則はリスクを未然に防ぐ備え

就業規則は企業運営に重要な役割を果たしますが、従業員が常時10人未満の事業場には作成義務がありません。
そのため、「作成しない」ことによる以下のようなメリットもあります。

1. 費用がかからない
専門家に依頼したり、法的チェックを行なったりするコストが不要です。
労使関係が安定している小規模企業では、「必要ない」と判断することもあります。

2. 更新・メンテナンスが不要
法改正や制度変更のたびに就業規則を見直す必要がないため、継続的な対応や工数を省けます。

3. 柔軟な運用ができる
就業規則がなければ、社内ルールが固定されず、状況に応じて個別対応しやすいという考え方もあります。

一方で、社内ルールが不明確だとトラブル時に大きなリスクを招く可能性があります。
就業規則は『不要なコスト』ではなく、『リスクを未然に防ぐ備え』として考えることが重要です。

就業規則を作成しないデメリットとは?

「作らない選択」がもたらすリスク

就業規則は常時10人以上の労働者がいる事業場では法的義務がありますが、それ未満の企業でも作成しないことで重大なリスクを抱えることになります。

1. 罰則リスク
義務があるのに作成・届出を怠ると、30万円以下の罰金や企業名の公表につながる場合があります(労働基準法第120条など)。

2. 助成金が申請できない
多くの助成金は就業規則への制度明記が支給条件となっています。
未整備では申請そのものができません。

3. 従業員とのトラブル発生
ルールが不明確だと「不公平」「言った言わない」が起こりやすく、モチベーション低下や離職の要因になります。

4. 残業管理ができない
就業規則がなければ時間外労働のルールが曖昧になり、未払い残業代・是正指導・訴訟リスクが高まります。

5. 労使紛争で企業が不利に
懲戒や解雇を就業規則に基づかず行うと、裁判で無効と判断される可能性が高まります。

6. 統一ルールがなく信頼を失う
部署ごとに対応がバラつき、従業員の不満やSNS炎上、内部告発の原因になりかねません。

小規模企業こそ整備を
「まだ小さい会社だから」と放置せず、トラブル予防と信頼維持のためにも、就業規則は早めに整備すべきです。
会社を守る『経営の防波堤』として活用しましょう。

就業規則を作成しなかった場合の罰則とは?

就業規則を作成してメリットがある企業は?

— 結論、就業規則はすべての企業で必要です —

「まだ小規模だから不要では?」と考える方も多いですが、就業規則はすべての企業にとって有益です。
労働時間・賃金・休暇・退職・ハラスメント・副業など、トラブルの火種となりやすい項目について、明確なルールを定めておくことで労使トラブルの予防や公正な対応が可能になります。

特に、以下のような企業には就業規則の作成を強くおすすめします。

・制度やルールが曖昧な企業
 ⇒「残業代の起算点は?」「有休の取得条件は?」など、日常的な疑問を解消できます。

・ハラスメント・副業・SNSなど新しい課題に備えたい企業
 ⇒ 曖昧なままだと従業員トラブルに発展するリスクがあります。

・これから事業拡大や営業所の新設を予定している企業
 ⇒ スタッフや拠点が増える前に、共通ルールを整備することが重要です。

・助成金を活用したい企業
 ⇒ 多くの助成金で「就業規則に制度が明記されていること」が申請条件になっています。

たとえ義務のない規模でも、リスク予防・信頼構築・制度活用の観点から、就業規則は「経営の安全装置」として機能します。
今こそ、将来を見据えて整備しておくことが賢明です。

就業規則の作成義務がある企業とは?

労働者が常時10人以上になったら作成義務あり

就業規則の作成義務は、常時10人以上の労働者を使用している事業場に課せられています(労働基準法第89条)。
この「10人」には、正社員だけでなく、パート・アルバイト・契約社員・派遣社員など雇用形態を問わずカウントされる点に注意が必要です。

就業規則の作成・届出義務とは?

就業規則には作成だけでなく届出の義務もある

就業規則は作成するだけでなく、所轄の労働基準監督署への届出が義務付けられています(労働基準法第89条・第90条)。
対象となるのは、常時10人以上の労働者を使用する事業場です。

「作るだけでいい」と思っていた方は、ぜひこの機会に届出の手続きまで確認しておきましょう。

就業規則は届出されていなくとも効力を発揮する?

届出がなされていない就業規則であっても、一定の条件を満たせば効力が認められるケースがあります。

その代表例が、フジ興産事件(最判 平成15年10月10日・最高裁第二小法廷)です。
この事件では、労働基準監督署への届出がされていなかった就業規則について、「労働者に周知され、その内容が合理的であれば、就業規則としての効力を持つ」と判断されました。

つまり、届出がなかったとしても、

・労働者に周知されていること
・内容が合理的であること(社会通念上妥当)

この2点がそろっていれば、就業規則の法的効力が認められる可能性があるということです。

ただし、これはあくまで例外的な扱いです。
トラブル時に企業側が不利になるリスクを避けるためにも、就業規則は必ず正しく届出しておくことが最善です。

就業規則はメリット・デメリットを考えずに作成すべき!

安心して働ける環境にするためにも必須

就業規則は、「作ったほうがいいかどうか」を検討するものではありません。
就業規則は労使トラブルを回避できる「保険」のような存在です。
一度でもトラブルが起これば、作成費用をはるかに上回るコストと時間を失う可能性があります。

メリット・デメリットを比較する以前に、作るのが当然。迷っている時間があれば、まずは一歩踏み出すことが、経営者としてのリスク管理の第一歩です。

まとめ

就業規則を作成することで、労使トラブルの予防や助成金申請、従業員の安心感向上など、多くのメリットが得られます。一方で、作成や更新には費用や手間がかかることもありますが、トラブル発生時の損失を考えれば、十分に元が取れる「経営の保険」です。

義務のある企業はもちろん、それ以外の企業にとっても、就業規則は備えておくべき必須のルールブックといえるでしょう。


お役立ちコラム

就業規則の作成義務とは?作成・届出しないとどうなる?

はじめに

「うちの会社、就業規則って作らなきゃいけないの?」

従業員が増えてきたとき、あるいは人事トラブルや労務整備の必要性が高まったとき、こんな疑問を持つ方は少なくありません。

実は、一定の条件を満たす会社には、就業規則の「作成義務」や「届出義務」が法律で定められています。そしてこの義務を怠ると、行政指導や罰則、最悪の場合は企業名が公表されるリスクもあるのです。

本記事では、就業規則の作成義務とは何か、どんな会社に適用されるのか、作らなかったり届出をしなかったりした場合にどのような不利益があるのかを、法律の根拠と実例を交えて分かりやすく解説します。

「作るべきかどうか」だけでなく、「いつまでに、どうすべきか」も理解できる内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

就業規則には作成義務がある!

まずは、「なぜ作成義務があるのか」「誰が・いつ・どの法律で決めたのか」、そして「就業規則制定の目的」といった根幹部分を押さえましょう。

    • なぜ作成義務があるのか?
      就業規則を明文化することで、労働時間、休日、賃金、解雇理由などの労働条件を明確にし、労使間のトラブルを未然に防止します。法的に整備されたルールがあることで、企業と従業員双方が安心して働ける環境が構築されます。

 

    • 誰が・いつ・どの法律で定めたのか?
      1947年に制定された「労働基準法」(昭和22年法第49号)によって定められ、厚生労働省の前身が主導して制定。戦後、労働者の権利保護と職場秩序を確立する目的で導入されました。

 

    • 該当する法律と条文

      以下が、就業規則に関する主な法的根拠です。

      労働基準法 第89条(就業規則の作成および届出義務)
      常時10人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、所轄労働基準監督署に届出なければならない

      https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049#Mp-Ch_9-At_89

 

    • 就業規則制定の目的とは?
      目的 内容
      労働条件の明確化 賃金、労働時間、休暇などを明記し、認識ズレを防止
      労使トラブルの未然防止 解雇や懲戒、残業などで争いを回避
      職場秩序の維持 服務規律や安全衛生の基準を提示
      法令遵守の徹底 労働法令と整合する制度構築
      従業員の安心感 ルールが明示されることで安心して働ける
      経営安定・採用への影響 信頼ある企業イメージ形成につながる
      このように、就業規則は単なる事務的な書類ではなく、企業と従業員の信頼関係構築や、法令遵守を前提とした制度設計の土台でもあります。

就業規則の作成義務が生じるケース

就業規則の作成義務は、「常時10人以上の労働者」を使用する事業場に課されます(労働基準法第89条)。
ここでの「10人」は、正社員だけでなく、雇用契約が継続している労働者すべてを指します。


    • 数え方の基本と注意点
      雇用形態 カウント対象 補足
      正社員 常時雇用されていれば全員対象
      パート・アルバイト 労働時間や日数に関係なく、雇用契約があれば対象
      契約社員(有期雇用) 雇用契約期間中は対象
      育児休業・産休中の社員 雇用契約が継続していればカウント
      長期病気休職中の社員 解雇等されていなければ対象
      役員 役員はNG、使用人兼務役員はカウント
      派遣社員(受入側企業) × 派遣元でカウントされるため対象外
      登録だけされている超短期勤務者 実態として雇用継続がなければ対象外になることも
      定年退職予定者・死亡した社員 × 在籍していなければ対象外
      グループ会社で兼務している社員 就業場所ごとの事業場単位でカウントされる

    • イレギュラーな例の仮定と考え方
      ・年に数日しか働かない登録制パート:
      →雇用契約があり、事実上の継続雇用と認められるなら対象。
      →臨時的に使用する有期雇用者は常時使用する労働者には含まれません。
      ・グループ企業での兼務:
      →それぞれの事業場でカウントする場合
      A事業所とB事業所を兼務している従業員がいる場合、A事業所の人数に1名、B事業所の人数に1名としてカウントします。→出向・在籍出向の場合:
      雇用契約を結んでいる元の会社(出向元)にカウントされます。出向先の会社ではカウントしません。
      ・育児休業中の社員が複数名いる:
      →復帰予定があれば、休業中でもカウントされる。
      →介護休業や、休職中の人もカウントされます。


    • 判断に迷ったら
      「常時10人以上」かどうかの判断は、単なる人数ではなく「継続的な雇用実態」に基づきます。一時的な増員や登録のみの人材は対象外とされることもあるため、迷ったら専門家か労基署に相談するのが確実です。

就業規則の作成義務が生じないケース

就業規則の作成義務は、常時10人以上の労働者を使用している場合に限られます。
そのため、従業員が常時9人以下の事業場には、法的な義務はありません(労働基準法第89条)。ただし、義務がない=不要というわけではありません。10人未満の会社であっても、トラブルを未然に防ぐために就業規則を作成するメリットは大きいです。


    • 作成義務がない理由と背景
      労働基準法は、規模の小さい企業の負担を軽減する観点から、義務の対象を「常時10人以上」に限定しています。
      しかし近年は、労働条件や働き方に関するトラブルが増加しており、従業員の規模に関係なくルールの明文化が求められる時代です。
      作成義務がない状況においても、トラブルを未然に防ぐために就業規則を作成することをおすすめします。

複数の事業所(営業所、支店等)がある場合は?

作成義務と届出義務に関する従業員数は、1事業所あたりの労働者をカウントします。仮に会社全体の労働者数が10人を超えていても、1事業所あたりの労働者が10人未満であれば、義務は発生しません。

A事業場は10人以上、B事業場は10人未満の場合の場合、B事業場については、作成義務や届出義務はありませんが、同一企業であれば、同一のルールで運用したほうが、会社全体として最適な運営が可能となります。本社にて一括して就業規則の作成を行い、届出を行うことも可能ですので、同じルールを作成したほうが良いでしょう。

就業規則は作成義務に加えて、届出義務もある!

就業規則は、作成するだけでは不十分です。労働基準法第89条により、「常時10人以上の労働者」がいる事業場では、所轄の労働基準監督署への届出も義務付けられています。

届出をしないまま運用を始めると、法的には「未届出」と見なされ、是正勧告や罰金の対象になることがあります。


    • 届出義務の時期と必要書類

      就業規則の作成または変更から速やかに、以下の書類を添えて届出る必要があります。

      ・就業規則本体
      ・労働者過半数代表の意見書(労働基準法第90条)

      届出書と意見書のWordファイルは、以下のページからダウンロード可能
      https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/dl/25.docx

就業規則の作成方法

就業規則を作成するには、労働基準法などの関連法令を踏まえながら、自社の実情に即した労働条件や社内ルールを文書化する必要があります。

作成手順(基本の流れ)

1.現状の労働条件・制度を整理
2.就業規則のひな形(厚労省など)を参考に文案を作成
3.法令違反がないかチェック
4.労働者代表の意見聴取(労基法第90条)
5.労働基準監督署に届出


    • 就業規則制定の目的とは?
      内容 概算
      作成期間 約2週間〜1か月(自作の場合)
      作成コスト 自作=無料、社労士依頼=5〜20万円程度

    • 必要な知識・資格
      作成自体に資格は不要ですが、労働基準法、パートタイム・有期法、育児介護休業法などの正確な理解が必要です。
      自社での作成に不安がある場合は、社会保険労務士への外注が有効です。

    • 外注のメリット(例)
      ・法改正や判例動向を踏まえた内容にできる
      ・リスクの見落としを防げる
      ・スムーズに労基署対応まで任せられる

就業規則の届出方法

届出には、以下の書類が必要です。これらを「2部」づつ準備しましょう。「1部」は提出用。もう「一部」は自社の控えで労働基準監督署の受領印をもらった上で保管しましょう。

・就業規則(賃金規程、育児介護規程等、作成したすべての規程)
意見書(労働者の過半数代表者が署名または記名押印)
届出書(就業規則(変更)届)


    • 届出の期限・方法
      作成・変更後すみやかに届出る必要があります(明確な日数制限はないが、原則「直ちに」)。
      ・提出先は、事業所を管轄する労働基準監督署です。
      電子申請(e-Gov)にも対応しています。

就業規則の作成義務に関するよくある質問

Q1.就業規則の作成義務は、従業員が何人から発生しますか?

A.労働基準法第89条により、常時10人以上の労働者を使用する事業場に就業規則の作成と届出が義務付けられています。正社員だけでなく、パート・アルバイト・契約社員もカウント対象です。


Q2.パートやアルバイトも「常時10人」に含めて数えるのですか?

A.はい、含まれます。就業規則の作成義務における人数カウントは、雇用形態に関係ありません。
常時使用しているかどうかが基準となるため、パートや短時間労働者も要注意です。


Q3.事業場単位で従業員が10人を超えた場合のみ義務があるのですか?

A.その通りです。就業規則の作成義務は「会社単位」ではなく「事業場単位」で判断します。支店や営業所ごとに10人を超えたかどうかを確認してください。


Q4.育児休業中・休職中の社員もカウントすべきですか?

A.はい。雇用契約が継続している社員は「常時使用する労働者」としてカウントされます。たとえ一時的に出勤していなくても、人数に含めて就業規則の作成義務を判断します。


Q5.派遣社員は「常時使用する労働者」に含めますか?

A.派遣元の企業の労働者であるため、派遣先ではカウントしません。ただし、契約形態によって判断が難しい場合は、専門家への相談が確実です。


Q6.就業規則は作成するだけでいいのですか?届出義務もあると聞きました。

A.作成だけでなく、所轄の労働基準監督署へ届出る義務(労働基準法第89条)があります。併せて「労働者代表の意見書」を添付(労働基準法第90条)する必要があります。


Q7.就業規則の届出をしなかった場合、罰則はありますか?

A.はい。労働基準法第120条により、30万円以下の罰金が科される可能性があります。行政指導・是正勧告を受ける前に、速やかに届出しましょう。


Q8.就業規則の作成や届出は、自社でできますか?外部に依頼する必要は?

A.自社作成も可能ですが、法改正や判例に対応するには専門知識が必要です。特にトラブル防止やリスク回避のためには、社会保険労務士に就業規則の作成・届出を依頼するのが安心です。


Q9.就業規則の作成義務があるのに、まだ作っていません。今からでも間に合いますか?

A.はい。義務が生じている以上、早急に作成・提出を行うことが求められます。過去の不備を是正するためにも、早めに社会保険労務士などの専門家にご相談ください。


Q10.就業規則を作成したら、労働者全員に説明・周知する必要がありますか?

A.はい。就業規則の効力を持たせるには、労働者への「周知」が法的に必須です。印刷して事業場に掲示する、イントラネットに掲載する、配布するなどの方法が必要です。


就業規則の作成義務や届出義務に不安がある方は、専門家に相談するのが最も確実な方法です。

就業規則の相談はACCS社会保険労務士法人まで!

・「誰をカウントすべきかが曖昧」
・「法改正に合っているか不安」
・「ひな形で作ったけど、これで本当にいいのか?」
・「忙しくて、手が回らない……」

このような悩みを抱える方は多く、制度としての就業規則は「書いて出せば終わり」ではありません。法律と現場運用の両方を理解して、初めて「意味のある就業規則」になります。


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私たちACCS社会保険労務士法人では、法令に準拠した就業規則の作成・見直し・届出をトータルサポートしています。
会社ごとの事情に応じて、形式だけでなく実際に使える規則を提案することが可能です。

「これで大丈夫」と言い切れる安心感を得るためにも、まずはお気軽にご相談ください。


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