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就業規則を作成しないと労使トラブルが起きた時に困る!よくある労使トラブルと回避方法を紹介

「うちは小さな会社だから就業規則なんて必要ない」
——その油断が、労使トラブルを招く最大の原因です。
突然の残業代請求、パワハラの訴え、不当解雇の主張……。
そのとき、ルールがなければ会社は一気に不利に。
この記事では、実際によくある労使トラブルの事例と、それを未然に防ぐための「就業規則の力」をご紹介します。備えあれば憂いなし、労使トラブルはルールで防げます。
目次
労使トラブルとは?

労使トラブルとは、会社と従業員の間で起こる労働条件などの対立や問題を指します。
たとえば「残業代が支払われない」といった未払い問題は典型的な例です。
なぜ労使トラブルが起こるのか?
・契約やルールがあいまい
・就業規則が整備・周知されていない
・上司の対応に納得できない
こうした場合に誤解・不信感が生まれ、トラブルに発展します。
労使トラブルが影響する範囲は?
・従業員側:ストレス、離職、収入減
・企業側:訴訟・炎上、信頼低下、採用難
労使トラブルは現代の課題です。
かつては「空気で察する」職場が多かったですが、今は権利意識の高まりや働き方の多様化により、明文化されたルールが求められる時代です。
就業規則の整備こそ、最大の労使トラブル予防策です。
就業規則と労使トラブルの関係

労使トラブルの多くは「ルールがない」から起きる企業と従業員の間で起こる「労使トラブル」です。
原因の多くは、就業規則がない・曖昧・周知されていないことです。
労使トラブルとは?
たとえば下記のようなものです。
・解雇・退職の揉め事
・残業代の未払い
・ハラスメント
・副業の禁止や制限
・育休復帰のタイミング など
なぜ労使トラブルの話で就業規則が話題に?
就業規則は企業のルールブックです。
たとえ合理的な処分でも、就業規則に明記されていなければ無効になる可能性があります。
雇用の多様化でルール整備が必須に
労働者として正社員だけでなく、パート・アルバイト・副業従事者も増加している昨今、待遇の違いからトラブルが生じやすくなっています。
→ 就業規則があれば、対応に一貫性を持たせ、誤解や不公平感を防げます。
裁判でも就業規則がカギに
労使トラブルが裁判に発展すると、
・就業規則の有無
・内容の合理性
・従業員への周知状況
が、会社の主張の信頼性を左右します。
就業規則がなければ、労使トラブルを予防することも、対応することも難しくなります。
労使協定と就業規則の関係

就業規則と労使協定は、企業の労務管理に不可欠な社内ルールですが、それぞれ性質や効力に違いがあります。
就業規則と労使協定の違い
就業規則は企業が一方的に定める労働条件の基本ルールで、労働時間・賃金・休暇・退職などを記載しており、従業員10人以上で作成義務があります。
労使協定は企業と労働者代表が合意の上で締結するもので、36協定のように法律の例外を許す「特例的ルール」として機能します。
法律との関係と優先順位
就業規則も労使協定も、上位法に反する内容では効力を持ちません。
優先されるのは以下の順序です。
1. 憲法
2. 法律(労働基準法など)
3. 条例・条約
4. 労使協定
5. 就業規則
たとえ労使合意があっても、労働基準法より不利な内容は無効です。
労使トラブル時に重視されるのは?
トラブルが裁判などに発展した場合、重視されるのは法令とその適用です。
就業規則や労使協定が古かったり、従業員に周知されていなかったりすれば、会社が不利になる可能性が高くなります。
就業規則も労使協定も、法令の枠内で適切に整備・運用されてこそ、その力を発揮します。
ルールの『中身』と『伝わり方』の両面が重要です。
労使トラブルが起こったときに就業規則がないとどうなる?

就業規則が整備されていないと、企業と従業員の間で認識のズレが起きやすく、それが労使トラブルの火種になります。
退職時の労使トラブルを例にあげて詳しく見ていきましょう。
■ 退職時の労使 トラブルの例
・退職時の対応が曖昧
→ 退職希望日や引き継ぎ方法で揉める
・副業の可否が不明
→ 従業員が副業していたことで懲戒処分、しかしルールがなく無効になるケースも
・遅刻・欠勤の扱いが不明確
→ 勤怠のルールを巡って不公平感が生まれる
■ 従業員にとってのリスク
・自分の権利が守られていないと感じる
・処分や評価の理由が曖昧で、不安・不信が募る
・結果としてモチベーションの低下や離職につながる
■ 企業にとってのリスク
・解雇や懲戒の正当性を証明できず、裁判で不利になる可能性
・就業規則が未整備だと、助成金の申請ができない場合が多く、経営上の損失に
ルールがなければ、トラブル解決も困難になります。
就業規則は、企業と従業員の共通のルールブックです。
これがなければ、トラブルが起きた際にも判断の拠り所がなく、感情的な対立に発展しやすくなります。
就業規則を作成することで労使トラブルを回避できる!

「就業規則を整備すれば、労使トラブルを100%防げるのか?」
この問いに対する答えはNOですが、それでも会社を守る「盾」になるのは間違いありません。
■ ルールがあれば、ブレないで対応できる
たとえば、以下のような場面で効果を発揮します。
・懲戒処分の基準が明文化されていれば、処分の妥当性を示せる
・残業代の支払いルールが定められていれば、請求トラブルを防ぎやすい
・有給休暇の取得についての運用方針を周知していれば、対応に一貫性が出る
就業規則による明確なルールがあることで、従業員との認識のズレを防ぎやすくなり、 労使トラブルの予防策として非常に有効です。
■ 裁判でも有利に働く「証拠」になる
万が一、労使トラブルが裁判や労働審判に発展した場合でも、
・合理的な内容であること
・従業員に周知されていること
この2点を満たした就業規則があれば、会社の主張に法的な正当性が生まれます。
■ 就業規則は「経営の安全装置」
・トラブルの発生を未然に減らす
・万一発生しても、有利に進められる
就業規則は、企業にとって欠かせないリスク管理ツールです。
よくある労使トラブル

1. 残業代・賃金に関する労使トラブル
労働基準法で定める時間外労働・割増賃金の支払いなどが守られないケースです。
企業と従業員の間で「勤務実態」と「支払い要件」のズレがトラブルに発展します。
たとえば、使用時間と賃金が明確にされておらず、未払い請求や是正勧告が行われることがあります。
2. 解雇・懲戒に関する労使トラブル
就業規則・労働契約に明記されていない懲戒や解雇を巡って、従業員側が「合理的理由がない」と主張するケースです。
裁判や労働審判では、就業規則の有無・条文内容・説明・周知が重要な判断材料になります。
3. ハラスメント・休職・復職に関する労使トラブル
パワハラ・セクハラ、メンタル不調による休職後の扱い、復職時の条件などがあいまいなために発生します。
こうした労使トラブルでは、従業員の心理的ダメージだけでなく、企業イメージや採用にも大きな影響が及びます。
統計データから見る「労使トラブルが発生しやすい状況」
・厚生労働省の「労使コミュニケーション調査」では、労使間の意思疎通・苦情処理機関の整備などがテーマとしてあげられています。
・同省の「労使間の交渉等に関する実態調査」では、正社員以外の労働者の待遇・交渉状況が調査されており、非正規雇用を巡るトラブルの比率が高いことも示唆されています。
これらのデータは、労使トラブルが起きやすい 構造的な背景を示しています。
言い換えれば、「ルールが曖昧/周知が不十分」「複数の雇用形態が混在」「個別対応で対応されてきた」という職場では、特に労使トラブルが起きやすいということです。
就業規則が整備されていない・実状とズレがあるという企業では、ぜひ見直しを検討することをおすすめします。

引用元:厚生労働省「令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況」
“総合労働相談件数は高止まり。助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数は前年度より増加。総合労働相談件数は121万412件で、4年連続で120万件を超え、高止まり。”
このように、総合労働相談は年間120万件を超えて、個別労働関係紛争の相談も26万件を超えています。
労使トラブルが起こってしまってから対抗するルールを定めても遅いのです。
明日は我が身と考えて早めに対策しておくことが大切です。
もし労使トラブルが起きてしまったら

就業規則がある場合の対応方法
就業規則が整備されていれば、以下のようにスムーズな対応が可能です。
・就業規則を根拠に事実関係を確認
→ トラブルの原因が「ルール違反」か「制度のあいまいさ」なのかを整理できます。
・当該ルールをもとに適切な処分・対応を実施
→ 懲戒処分や警告、再発防止策を明文化された手順で進められます。
・裁判・労働審判でも有利に進めやすい
→ 「合理的なルールがあったか」が判断基準になるため、防御力が高まります。
就業規則がない場合の対応方法
就業規則が未整備の場合、対応は難航しがちです。
・ルールの不在で対応基準が曖昧
→ トラブルの判断が個人の主観に依存しやすく、感情的対立になりやすい傾向にあります。
・解雇や懲戒の根拠が不十分
→ 不当解雇とされるリスクが高く、法的リスクも大きくなります。
・トラブルが長期化・泥沼化しやすい
→ 話し合いがまとまらず、労働局・労働審判・裁判へと発展するケースもあります。
まとめ
就業規則がないままでは、トラブルの『火種』を放置しているのと同じです。
解雇・残業代・ハラスメント・副業──現代の労使トラブルは複雑化し、一度もめれば金銭・時間・信頼すべてに大きな損失が生じます。
ACCS社会保険労務士法人では、豊富な実績をもとに、御社の現場に即したトラブル回避型の就業規則を提案・作成します。
トラブルが起こる前に、今すぐご相談を!
将来の安心は、「ルールづくり」から始まります。






