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お役立ちコラム

就業規則を作成しないと労使トラブルが起きた時に困る!よくある労使トラブルと回避方法を紹介

「うちは小さな会社だから就業規則なんて必要ない」

——その油断が、労使トラブルを招く最大の原因です。
突然の残業代請求、パワハラの訴え、不当解雇の主張……。
そのとき、ルールがなければ会社は一気に不利に。

この記事では、実際によくある労使トラブルの事例と、それを未然に防ぐための「就業規則の力」をご紹介します。備えあれば憂いなし、労使トラブルはルールで防げます。

労使トラブルとは?

労使トラブルとは、会社と従業員の間で起こる労働条件などの対立や問題を指します。
たとえば「残業代が支払われない」といった未払い問題は典型的な例です。

なぜ労使トラブルが起こるのか?
・契約やルールがあいまい
・就業規則が整備・周知されていない
・上司の対応に納得できない
こうした場合に誤解・不信感が生まれ、トラブルに発展します。

労使トラブルが影響する範囲は?
・従業員側:ストレス、離職、収入減
・企業側:訴訟・炎上、信頼低下、採用難

労使トラブルは現代の課題です。
かつては「空気で察する」職場が多かったですが、今は権利意識の高まりや働き方の多様化により、明文化されたルールが求められる時代です。

就業規則の整備こそ、最大の労使トラブル予防策です。

就業規則と労使トラブルの関係

労使トラブルの多くは「ルールがない」から起きる企業と従業員の間で起こる「労使トラブル」です。
原因の多くは、就業規則がない・曖昧・周知されていないことです。

労使トラブルとは?
たとえば下記のようなものです。
・解雇・退職の揉め事
・残業代の未払い
・ハラスメント
・副業の禁止や制限
・育休復帰のタイミング など

なぜ労使トラブルの話で就業規則が話題に?
就業規則は企業のルールブックです。
たとえ合理的な処分でも、就業規則に明記されていなければ無効になる可能性があります。

雇用の多様化でルール整備が必須に
労働者として正社員だけでなく、パート・アルバイト・副業従事者も増加している昨今、待遇の違いからトラブルが生じやすくなっています。
→ 就業規則があれば、対応に一貫性を持たせ、誤解や不公平感を防げます。

裁判でも就業規則がカギに
労使トラブルが裁判に発展すると、
・就業規則の有無
・内容の合理性
・従業員への周知状況
が、会社の主張の信頼性を左右します。

就業規則がなければ、労使トラブルを予防することも、対応することも難しくなります。

労使協定と就業規則の関係

就業規則と労使協定は、企業の労務管理に不可欠な社内ルールですが、それぞれ性質や効力に違いがあります。

就業規則と労使協定の違い
就業規則は企業が一方的に定める労働条件の基本ルールで、労働時間・賃金・休暇・退職などを記載しており、従業員10人以上で作成義務があります。
労使協定は企業と労働者代表が合意の上で締結するもので、36協定のように法律の例外を許す「特例的ルール」として機能します。

法律との関係と優先順位
就業規則も労使協定も、上位法に反する内容では効力を持ちません。
優先されるのは以下の順序です。
1. 憲法
2. 法律(労働基準法など)
3. 条例・条約
4. 労使協定
5. 就業規則
たとえ労使合意があっても、労働基準法より不利な内容は無効です。

労使トラブル時に重視されるのは?
トラブルが裁判などに発展した場合、重視されるのは法令とその適用です。
就業規則や労使協定が古かったり、従業員に周知されていなかったりすれば、会社が不利になる可能性が高くなります。

就業規則も労使協定も、法令の枠内で適切に整備・運用されてこそ、その力を発揮します。
ルールの『中身』と『伝わり方』の両面が重要です。

労使トラブルが起こったときに就業規則がないとどうなる?

就業規則が整備されていないと、企業と従業員の間で認識のズレが起きやすく、それが労使トラブルの火種になります。

退職時の労使トラブルを例にあげて詳しく見ていきましょう。
■ 退職時の労使 トラブルの例
・退職時の対応が曖昧
 → 退職希望日や引き継ぎ方法で揉める
・副業の可否が不明
 → 従業員が副業していたことで懲戒処分、しかしルールがなく無効になるケースも
・遅刻・欠勤の扱いが不明確
 → 勤怠のルールを巡って不公平感が生まれる

■ 従業員にとってのリスク
・自分の権利が守られていないと感じる
・処分や評価の理由が曖昧で、不安・不信が募る
・結果としてモチベーションの低下や離職につながる

■ 企業にとってのリスク
・解雇や懲戒の正当性を証明できず、裁判で不利になる可能性
・就業規則が未整備だと、助成金の申請ができない場合が多く、経営上の損失に

ルールがなければ、トラブル解決も困難になります。
就業規則は、企業と従業員の共通のルールブックです。
これがなければ、トラブルが起きた際にも判断の拠り所がなく、感情的な対立に発展しやすくなります。

就業規則を作成することで労使トラブルを回避できる!

よくある労使トラブル

1. 残業代・賃金に関する労使トラブル
労働基準法で定める時間外労働・割増賃金の支払いなどが守られないケースです。
企業と従業員の間で「勤務実態」と「支払い要件」のズレがトラブルに発展します。
たとえば、使用時間と賃金が明確にされておらず、未払い請求や是正勧告が行われることがあります。

2. 解雇・懲戒に関する労使トラブル
就業規則・労働契約に明記されていない懲戒や解雇を巡って、従業員側が「合理的理由がない」と主張するケースです。
裁判や労働審判では、就業規則の有無・条文内容・説明・周知が重要な判断材料になります。

3. ハラスメント・休職・復職に関する労使トラブル
パワハラ・セクハラ、メンタル不調による休職後の扱い、復職時の条件などがあいまいなために発生します。
こうした労使トラブルでは、従業員の心理的ダメージだけでなく、企業イメージや採用にも大きな影響が及びます。

統計データから見る「労使トラブルが発生しやすい状況」
・厚生労働省の「労使コミュニケーション調査」では、労使間の意思疎通・苦情処理機関の整備などがテーマとしてあげられています。
・同省の「労使間の交渉等に関する実態調査」では、正社員以外の労働者の待遇・交渉状況が調査されており、非正規雇用を巡るトラブルの比率が高いことも示唆されています。

これらのデータは、労使トラブルが起きやすい 構造的な背景を示しています。
言い換えれば、「ルールが曖昧/周知が不十分」「複数の雇用形態が混在」「個別対応で対応されてきた」という職場では、特に労使トラブルが起きやすいということです。
就業規則が整備されていない・実状とズレがあるという企業では、ぜひ見直しを検討することをおすすめします。

引用元:厚生労働省「令和5年度個別労働紛争解決制度の施行状況

“総合労働相談件数は高止まり。助言・指導の申出件数、あっせんの申請件数は前年度より増加。総合労働相談件数は121万412件で、4年連続で120万件を超え、高止まり。”

このように、総合労働相談は年間120万件を超えて、個別労働関係紛争の相談も26万件を超えています。
労使トラブルが起こってしまってから対抗するルールを定めても遅いのです。
明日は我が身と考えて早めに対策しておくことが大切です。

もし労使トラブルが起きてしまったら

就業規則がある場合の対応方法
就業規則が整備されていれば、以下のようにスムーズな対応が可能です。
・就業規則を根拠に事実関係を確認
 → トラブルの原因が「ルール違反」か「制度のあいまいさ」なのかを整理できます。
・当該ルールをもとに適切な処分・対応を実施
 → 懲戒処分や警告、再発防止策を明文化された手順で進められます。
・裁判・労働審判でも有利に進めやすい
 → 「合理的なルールがあったか」が判断基準になるため、防御力が高まります。

就業規則がない場合の対応方法
就業規則が未整備の場合、対応は難航しがちです。
・ルールの不在で対応基準が曖昧
 → トラブルの判断が個人の主観に依存しやすく、感情的対立になりやすい傾向にあります。
・解雇や懲戒の根拠が不十分
 → 不当解雇とされるリスクが高く、法的リスクも大きくなります。
・トラブルが長期化・泥沼化しやすい
 → 話し合いがまとまらず、労働局・労働審判・裁判へと発展するケースもあります。

まとめ

就業規則がないままでは、トラブルの『火種』を放置しているのと同じです。
解雇・残業代・ハラスメント・副業──現代の労使トラブルは複雑化し、一度もめれば金銭・時間・信頼すべてに大きな損失が生じます。

ACCS社会保険労務士法人では、豊富な実績をもとに、御社の現場に即したトラブル回避型の就業規則を提案・作成します。

トラブルが起こる前に、今すぐご相談を!
将来の安心は、「ルールづくり」から始まります。


お役立ちコラム

就業規則を作成しないと助成金がもらえない?

「助成金を申請したい。でも、就業規則が古いまま……」
「そもそも作っていない……」

——そんな不安を抱える中小企業の方は少なくありません。

実は、雇用関係助成金や働き方改革推進支援助成金など、多くの助成金の申請において、「就業規則の整備・明記」が申請条件に含まれていることがあるのです。
つまり、ルールがなければ、お金ももらえない可能性があるということです。

せっかくの支援制度を「書類不備」で逃す前に、まずは就業規則の見直し・作成から始めましょう。
今こそ「制度の整備=経営の武器」です。

結論:就業規則がないと、助成金の受給はほぼ「不可能」

中小企業にとって貴重な助成金制度。
しかしその多くは「就業規則の整備」が支給条件です。
就業規則を作成していなければ、そもそもスタートラインに立てないこともありえます。

また、作成済みでも制度に対応していない内容や古い規定ではNGです。
『形だけ』の就業規則では通用せず、助成金の要件を満たす内容であることが重要です。

「まだ作っていない」「昔のまま」という場合は、今すぐ見直ししましょう。
チャンスを逃さないための第一歩です。

就業規則と助成金の関係

助成金は、厚生労働省が所管し、主に「雇用関係助成金」としてハローワークや労働局などを通じて支給されます。
これらの助成金を受給する際、就業規則の整備は「必須条件」となるケースが非常に多いのが現状です。

なぜ就業規則が関係するのかというと、助成金は新たな雇用制度や職場環境の整備に対して支給される制度だからです。
つまり、「実施している」だけではなく、社内規程(=就業規則)に明記していることが、その実施の『証明』として求められるのです。

たとえば以下のような助成金では、特定の制度が就業規則に明文化されていることが支給の前提になります。

助成金名 求められる就業規則の内容
キャリアアップ助成金 契約社員やパートタイマーを正社員に転換する制度の明記
両立支援等助成金 育児休業・介護休業・時短勤務制度などの規定整備
人材確保等支援助成金 福利厚生・働き方改革制度などの導入と明文化
働き方改革推進支援助成金 時間外労働の上限設定・年次有給休暇取得促進の制度化

たとえば「正社員転換制度」を導入する場合、対象者・転換要件・実施時期などを就業規則に明記しているかどうかが審査の分かれ目になります。

就業規則を作成しないと助成金がもらえないと言われる理由

多くの助成金では、制度の導入内容を就業規則に明記していることが条件となっており、未整備だと「制度が証明できない」とされるからです。

例:
・キャリアアップ助成金 → 正社員転換制度の明記が必要
・両立支援等助成金 → 育児・介護制度の明文化が必要

つまり、助成金を活用するなら就業規則の整備は必須です。
小規模企業でも、早めの作成が損を防ぐ第一歩となります。

やみくもに就業規則を作成するだけでは助成金の申請が通らないこともある!

就業規則が「ある」だけでは、助成金の申請は通りません。
助成金の制度ごとに必要な内容を盛り込んだ『実効性のある就業規則』であることが必須条件です。
たとえば、キャリアアップ助成金(正社員化コース)の場合、以下のような内容が就業規則に明記されている必要があります。

就業規則に必要な内容(例:正社員化コース)
・有期雇用から正社員への転換制度を定めていること
 (転換の対象者・タイミング・手続きが明確になっている)

・正社員と非正規社員の待遇差が分かる労働条件の明示
 (賃金・賞与・手当・労働時間など)

・制度の周知と実施実績
 (実際に制度を適用した記録や通知書類などが必要)

上記のような具体的かつ制度運用が確認できる内容が欠けている場合、申請しても不支給となる可能性が高くなります。

「とりあえず作った就業規則」では対応しきれません。
助成金の要件に対応した設計と文言が必要です。

制度に合った就業規則の作成は、労務の専門家への相談をおすすめします。

既に就業規則が在る場合でも、助成金に対応できているか見直しが必要

「うちは就業規則をちゃんと作ってあるから大丈夫」――本当にそうでしょうか?

助成金の申請には、制度の『実施』だけでなく「規定の整備」も審査対象となります。
しかし、内容が古いまま放置されている就業規則では、申請が通らないケースが増えています。

✅ 助成金申請前に見直しておくべき主なポイント
・雇用形態転換制度の規定
 例:有期雇用から正社員への転換ルール(キャリアアップ助成金)

・育児・介護休業に関する規定
 例:育児休業の取得要件や対象範囲(両立支援等助成金)

・時間外労働・年次有給休暇の管理方法
 例:残業時間の上限・有休5日取得義務への対応(働き方改革推進支援助成金)

・テレワークや副業に関する取り扱い
 時代に合わせた柔軟な働き方への対応が求められるケースが増加中

助成金の制度は毎年のように更新されており、それに就業規則も対応している必要があります。

すでに就業規則がある企業こそ、定期的な見直しとアップデートが不可欠です。見直しの際は、助成金制度に精通した社会保険労務士への相談が最も確実です。

助成金に対応した就業規則を作成しよう

助成金に対応した就業規則とは?

助成金に対応した就業規則とは、助成金の支給要件を満たす制度内容が明確に盛り込まれている就業規則のことを指します。

✅ たとえば、こんな就業規則が「対応済み」
・【キャリアアップ助成金】
 →「正社員転換制度」が明記されている
・【両立支援等助成金】
 →「育児・介護休業制度」が具体的に記載されている
・【働き方改革推進支援助成金】
  →「テレワーク勤務制度」「副業可否のルール」が定められている

❌ 一方で、こんな就業規則は「非対応」
・古くて法改正に対応していない(例:改正育児介護休業法未反映)
・制度の記載があいまいで、運用ルールが明文化されていない
・実態と乖離していて、助成金申請時に証拠として使えない

助成金を申請したい企業は、単に「就業規則がある」だけでなく、助成金要件にマッチした内容かを確認・見直すことが重要です。

助成金に対応した就業規則を作成する方法と依頼先

助成金を受給するためには、「対応した就業規則」の作成が欠かせません。
以下の流れで進めるとスムーズです。

✅ 就業規則作成の流れ
1. 活用できる助成金を探す
  → 厚生労働省のHPや社会保険労務士事務所の情報が参考になります。
2. 助成金の申請条件を確認する
  → 対象者の要件や、就業規則への明記が求められる内容をチェック。
3. 就業規則の設計・見直し
  → 条文に制度の導入内容や運用ルールを具体的に記載。
4. 専門家に相談する(推奨)
  → 書類の整合性や要件の満たし方に不安があれば、社会保険労務士に相談を。
5. 労働基準監督署へ届け出る

📝 おすすめの依頼先は「経験豊富な社会保険労務士事務所」
理由はシンプルです。
・助成金の要件や最新情報を熟知している
・審査傾向や落とし穴も把握している
・就業規則の設計・作成・届け出までワンストップ対応できる

はじめて助成金を活用する場合は、無理に自社だけで進めず、実績のある社会保険労務士に相談することが成功の近道です。

就業規則を改定するか、作り直すかどっちがいい?費用や工数、メリットなどを比較

〜費用・工数・メリットで比較〜
就業規則がすでにある企業の場合、「作り直し」よりも一部改定のほうが一般的にはおすすめです。

✅ 改定のメリット
・必要な部分だけを見直せばOK
・費用や時間を大幅に削減できる
・実態や法改正に合わせて柔軟に対応できる

❌ 作り直しが必要なケース
・内容が古すぎて現行制度に対応していない
・条文が曖昧・体系がバラバラで修正よりも再構築が早い
・助成金申請などで正確かつ最新の制度明記が求められる

結論:
就業規則がベースとして機能しているなら「改定」で十分です。
ただし、内容次第では一から作り直したほうが効率的な場合もあります。
判断に迷うときは、社会保険労務士などの専門家に相談するのが安心です。

まとめ

多くの助成金は「就業規則に制度が明記されていること」が申請条件。
つまり、就業規則がない=受給資格がないも同然です。
さらに、古いまま放置された就業規則では申請が通らないケースも少なくありません。

📣 今すぐ、就業規則をチェック!
「まだ就業規則を作っていない」
「助成金に対応しているか分からない」
そんな方は、実績豊富な社会保険労務士に相談するのが最短ルートです。
就業規則を整備して、助成金を『確実に』受け取りましょう!


お役立ちコラム

就業規則を作成するメリット・デメリットを解説

「トラブルが起きてからでは遅い。」
就業規則は、会社と従業員を守る『見えない盾』です。
知らなかった・決まってなかった──それだけで裁判や損害に発展する今、就業規則の整備は「任意」ではなく「必須の備え」と言えるでしょう。

この記事では、そのメリットとデメリットをわかりやすく解説します。

就業規則を作成するメリットとは?

就業規則を作成するデメリットとは?

作成前に押さえておきたい注意点

就業規則には多くのメリットがありますが、作成や運用に一定の負担があるのも事実です。
ここでは主なデメリットを簡潔にご紹介します。

1. 作成に費用がかかる
社会保険労務士に依頼すると10~30万円前後の費用がかかることもあります。
自作する場合でも法的整合性の確認が必要です。

2. 工数・時間がかかる
労働条件の整理や条文設計など、現状把握から完成まで多くの工程が発生します。
複数部署が関与する場合はさらに複雑になります。

3. 従業員への「周知」が必要
作成後は、掲示や配布などでの周知が義務となっています(労働基準法第106条)。
「作って終わり」ではなく、従業員が内容を理解できる状態にする必要があります。

4. 定期的な見直しが必要
法律改正や制度変更に対応するため、継続的なメンテナンスが不可欠です。
対応しないと、内容が実態とずれてしまうおそれがあります。

5. 従業員の合意に時間がかかることも
ルールが不利益変更と受け取られると反発が起こる場合もありえます。
副業制限や懲戒規定などは特に慎重な説明が必要です。

それでも就業規則は作るべき

手間や費用はかかりますが、トラブル予防・リスク管理・信頼性向上などのメリットはそれ以上です。
就業規則は「会社を守る盾」として、経営における重要な投資といえます。

就業規則を作成しないメリットとは?

就業規則はリスクを未然に防ぐ備え

就業規則は企業運営に重要な役割を果たしますが、従業員が常時10人未満の事業場には作成義務がありません。
そのため、「作成しない」ことによる以下のようなメリットもあります。

1. 費用がかからない
専門家に依頼したり、法的チェックを行なったりするコストが不要です。
労使関係が安定している小規模企業では、「必要ない」と判断することもあります。

2. 更新・メンテナンスが不要
法改正や制度変更のたびに就業規則を見直す必要がないため、継続的な対応や工数を省けます。

3. 柔軟な運用ができる
就業規則がなければ、社内ルールが固定されず、状況に応じて個別対応しやすいという考え方もあります。

一方で、社内ルールが不明確だとトラブル時に大きなリスクを招く可能性があります。
就業規則は『不要なコスト』ではなく、『リスクを未然に防ぐ備え』として考えることが重要です。

就業規則を作成しないデメリットとは?

「作らない選択」がもたらすリスク

就業規則は常時10人以上の労働者がいる事業場では法的義務がありますが、それ未満の企業でも作成しないことで重大なリスクを抱えることになります。

1. 罰則リスク
義務があるのに作成・届出を怠ると、30万円以下の罰金や企業名の公表につながる場合があります(労働基準法第120条など)。

2. 助成金が申請できない
多くの助成金は就業規則への制度明記が支給条件となっています。
未整備では申請そのものができません。

3. 従業員とのトラブル発生
ルールが不明確だと「不公平」「言った言わない」が起こりやすく、モチベーション低下や離職の要因になります。

4. 残業管理ができない
就業規則がなければ時間外労働のルールが曖昧になり、未払い残業代・是正指導・訴訟リスクが高まります。

5. 労使紛争で企業が不利に
懲戒や解雇を就業規則に基づかず行うと、裁判で無効と判断される可能性が高まります。

6. 統一ルールがなく信頼を失う
部署ごとに対応がバラつき、従業員の不満やSNS炎上、内部告発の原因になりかねません。

小規模企業こそ整備を
「まだ小さい会社だから」と放置せず、トラブル予防と信頼維持のためにも、就業規則は早めに整備すべきです。
会社を守る『経営の防波堤』として活用しましょう。

就業規則を作成しなかった場合の罰則とは?

就業規則を作成してメリットがある企業は?

— 結論、就業規則はすべての企業で必要です —

「まだ小規模だから不要では?」と考える方も多いですが、就業規則はすべての企業にとって有益です。
労働時間・賃金・休暇・退職・ハラスメント・副業など、トラブルの火種となりやすい項目について、明確なルールを定めておくことで労使トラブルの予防や公正な対応が可能になります。

特に、以下のような企業には就業規則の作成を強くおすすめします。

・制度やルールが曖昧な企業
 ⇒「残業代の起算点は?」「有休の取得条件は?」など、日常的な疑問を解消できます。

・ハラスメント・副業・SNSなど新しい課題に備えたい企業
 ⇒ 曖昧なままだと従業員トラブルに発展するリスクがあります。

・これから事業拡大や営業所の新設を予定している企業
 ⇒ スタッフや拠点が増える前に、共通ルールを整備することが重要です。

・助成金を活用したい企業
 ⇒ 多くの助成金で「就業規則に制度が明記されていること」が申請条件になっています。

たとえ義務のない規模でも、リスク予防・信頼構築・制度活用の観点から、就業規則は「経営の安全装置」として機能します。
今こそ、将来を見据えて整備しておくことが賢明です。

就業規則の作成義務がある企業とは?

労働者が常時10人以上になったら作成義務あり

就業規則の作成義務は、常時10人以上の労働者を使用している事業場に課せられています(労働基準法第89条)。
この「10人」には、正社員だけでなく、パート・アルバイト・契約社員・派遣社員など雇用形態を問わずカウントされる点に注意が必要です。

就業規則の作成・届出義務とは?

就業規則には作成だけでなく届出の義務もある

就業規則は作成するだけでなく、所轄の労働基準監督署への届出が義務付けられています(労働基準法第89条・第90条)。
対象となるのは、常時10人以上の労働者を使用する事業場です。

「作るだけでいい」と思っていた方は、ぜひこの機会に届出の手続きまで確認しておきましょう。

就業規則は届出されていなくとも効力を発揮する?

届出がなされていない就業規則であっても、一定の条件を満たせば効力が認められるケースがあります。

その代表例が、フジ興産事件(最判 平成15年10月10日・最高裁第二小法廷)です。
この事件では、労働基準監督署への届出がされていなかった就業規則について、「労働者に周知され、その内容が合理的であれば、就業規則としての効力を持つ」と判断されました。

つまり、届出がなかったとしても、

・労働者に周知されていること
・内容が合理的であること(社会通念上妥当)

この2点がそろっていれば、就業規則の法的効力が認められる可能性があるということです。

ただし、これはあくまで例外的な扱いです。
トラブル時に企業側が不利になるリスクを避けるためにも、就業規則は必ず正しく届出しておくことが最善です。

就業規則はメリット・デメリットを考えずに作成すべき!

安心して働ける環境にするためにも必須

就業規則は、「作ったほうがいいかどうか」を検討するものではありません。
就業規則は労使トラブルを回避できる「保険」のような存在です。
一度でもトラブルが起これば、作成費用をはるかに上回るコストと時間を失う可能性があります。

メリット・デメリットを比較する以前に、作るのが当然。迷っている時間があれば、まずは一歩踏み出すことが、経営者としてのリスク管理の第一歩です。

まとめ

就業規則を作成することで、労使トラブルの予防や助成金申請、従業員の安心感向上など、多くのメリットが得られます。一方で、作成や更新には費用や手間がかかることもありますが、トラブル発生時の損失を考えれば、十分に元が取れる「経営の保険」です。

義務のある企業はもちろん、それ以外の企業にとっても、就業規則は備えておくべき必須のルールブックといえるでしょう。


就業規則の作成義務とは?作成・届出しないとどうなる?
お役立ちコラム

就業規則の作成義務とは?作成・届出しないとどうなる?

はじめに

「うちの会社、就業規則って作らなきゃいけないの?」

従業員が増えてきたとき、あるいは人事トラブルや労務整備の必要性が高まったとき、こんな疑問を持つ方は少なくありません。

実は、一定の条件を満たす会社には、就業規則の「作成義務」や「届出義務」が法律で定められています。そしてこの義務を怠ると、行政指導や罰則、最悪の場合は企業名が公表されるリスクもあるのです。

本記事では、就業規則の作成義務とは何か、どんな会社に適用されるのか、作らなかったり届出をしなかったりした場合にどのような不利益があるのかを、法律の根拠と実例を交えて分かりやすく解説します。

「作るべきかどうか」だけでなく、「いつまでに、どうすべきか」も理解できる内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。

就業規則には作成義務がある!

まずは、「なぜ作成義務があるのか」「誰が・いつ・どの法律で決めたのか」、そして「就業規則制定の目的」といった根幹部分を押さえましょう。

    • なぜ作成義務があるのか?
      就業規則を明文化することで、労働時間、休日、賃金、解雇理由などの労働条件を明確にし、労使間のトラブルを未然に防止します。法的に整備されたルールがあることで、企業と従業員双方が安心して働ける環境が構築されます。

 

    • 誰が・いつ・どの法律で定めたのか?
      1947年に制定された「労働基準法」(昭和22年法第49号)によって定められ、厚生労働省の前身が主導して制定。戦後、労働者の権利保護と職場秩序を確立する目的で導入されました。

 

 

    • 就業規則制定の目的とは?
      目的 内容
      労働条件の明確化 賃金、労働時間、休暇などを明記し、認識ズレを防止
      労使トラブルの未然防止 解雇や懲戒、残業などで争いを回避
      職場秩序の維持 服務規律や安全衛生の基準を提示
      法令遵守の徹底 労働法令と整合する制度構築
      従業員の安心感 ルールが明示されることで安心して働ける
      経営安定・採用への影響 信頼ある企業イメージ形成につながる
      このように、就業規則は単なる事務的な書類ではなく、企業と従業員の信頼関係構築や、法令遵守を前提とした制度設計の土台でもあります。

就業規則の作成義務が生じるケース

就業規則の作成義務は、「常時10人以上の労働者」を使用する事業場に課されます(労働基準法第89条)。
ここでの「10人」は、正社員だけでなく、雇用契約が継続している労働者すべてを指します。


    • 数え方の基本と注意点
      雇用形態 カウント対象 補足
      正社員 常時雇用されていれば全員対象
      パート・アルバイト 労働時間や日数に関係なく、雇用契約があれば対象
      契約社員(有期雇用) 雇用契約期間中は対象
      育児休業・産休中の社員 雇用契約が継続していればカウント
      長期病気休職中の社員 解雇等されていなければ対象
      役員 役員はNG、使用人兼務役員はカウント
      派遣社員(受入側企業) × 派遣元でカウントされるため対象外
      登録だけされている超短期勤務者 実態として雇用継続がなければ対象外になることも
      定年退職予定者・死亡した社員 × 在籍していなければ対象外
      グループ会社で兼務している社員 就業場所ごとの事業場単位でカウントされる

    • イレギュラーな例の仮定と考え方
      ・年に数日しか働かない登録制パート:
      →雇用契約があり、事実上の継続雇用と認められるなら対象。
      →臨時的に使用する有期雇用者は常時使用する労働者には含まれません。・グループ企業での兼務:
      →それぞれの事業場でカウントする場合
      A事業所とB事業所を兼務している従業員がいる場合、A事業所の人数に1名、B事業所の人数に1名としてカウントします。→出向・在籍出向の場合:
      雇用契約を結んでいる元の会社(出向元)にカウントされます。出向先の会社ではカウントしません。・育児休業中の社員が複数名いる:
      →復帰予定があれば、休業中でもカウントされる。
      →介護休業や、休職中の人もカウントされます。


    • 判断に迷ったら
      「常時10人以上」かどうかの判断は、単なる人数ではなく「継続的な雇用実態」に基づきます。一時的な増員や登録のみの人材は対象外とされることもあるため、迷ったら専門家か労基署に相談するのが確実です。

就業規則の作成義務が生じないケース

就業規則の作成義務は、常時10人以上の労働者を使用している場合に限られます。
そのため、従業員が常時9人以下の事業場には、法的な義務はありません(労働基準法第89条)。ただし、義務がない=不要というわけではありません。10人未満の会社であっても、トラブルを未然に防ぐために就業規則を作成するメリットは大きいです。


    • 作成義務がない理由と背景
      労働基準法は、規模の小さい企業の負担を軽減する観点から、義務の対象を「常時10人以上」に限定しています。
      しかし近年は、労働条件や働き方に関するトラブルが増加しており、従業員の規模に関係なくルールの明文化が求められる時代です。
      作成義務がない状況においても、トラブルを未然に防ぐために就業規則を作成することをおすすめします。

複数の事業所(営業所、支店等)がある場合は?

作成義務と届出義務に関する従業員数は、1事業所あたりの労働者をカウントします。仮に会社全体の労働者数が10人を超えていても、1事業所あたりの労働者が10人未満であれば、義務は発生しません。

A事業場は10人以上、B事業場は10人未満の場合の場合、B事業場については、作成義務や届出義務はありませんが、同一企業であれば、同一のルールで運用したほうが、会社全体として最適な運営が可能となります。本社にて一括して就業規則の作成を行い、届出を行うことも可能ですので、同じルールを作成したほうが良いでしょう。

就業規則は作成義務に加えて、届出義務もある!

就業規則は、作成するだけでは不十分です。労働基準法第89条により、「常時10人以上の労働者」がいる事業場では、所轄の労働基準監督署への届出も義務付けられています。

届出をしないまま運用を始めると、法的には「未届出」と見なされ、是正勧告や罰金の対象になることがあります。


    • 届出義務の時期と必要書類

      就業規則の作成または変更から速やかに、以下の書類を添えて届出る必要があります。

      ・就業規則本体
      ・労働者過半数代表の意見書(労働基準法第90条)

      届出書と意見書のWordファイルは、以下のページからダウンロード可能
      https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/roudoujouken01/dl/25.docx

就業規則の作成方法

就業規則を作成するには、労働基準法などの関連法令を踏まえながら、自社の実情に即した労働条件や社内ルールを文書化する必要があります。

作成手順(基本の流れ)

1.現状の労働条件・制度を整理
2.就業規則のひな形(厚労省など)を参考に文案を作成
3.法令違反がないかチェック
4.労働者代表の意見聴取(労基法第90条)
5.労働基準監督署に届出


    • 就業規則制定の目的とは?
      内容 概算
      作成期間 約2週間〜1か月(自作の場合)
      作成コスト 自作=無料、社労士依頼=5〜20万円程度

    • 必要な知識・資格
      作成自体に資格は不要ですが、労働基準法、パートタイム・有期法、育児介護休業法などの正確な理解が必要です。
      自社での作成に不安がある場合は、社会保険労務士への外注が有効です。

    • 外注のメリット(例)
      ・法改正や判例動向を踏まえた内容にできる
      ・リスクの見落としを防げる
      ・スムーズに労基署対応まで任せられる

就業規則の届出方法

届出には、以下の書類が必要です。これらを「2部」づつ準備しましょう。「1部」は提出用。もう「一部」は自社の控えで労働基準監督署の受領印をもらった上で保管しましょう。

・就業規則(賃金規程、育児介護規程等、作成したすべての規程)
意見書(労働者の過半数代表者が署名または記名押印)
届出書(就業規則(変更)届)


    • 届出の期限・方法
      作成・変更後すみやかに届出る必要があります(明確な日数制限はないが、原則「直ちに」)。
      ・提出先は、事業所を管轄する労働基準監督署です。
      電子申請(e-Gov)にも対応しています。

就業規則の作成義務に関するよくある質問

Q1.就業規則の作成義務は、従業員が何人から発生しますか?

A.労働基準法第89条により、常時10人以上の労働者を使用する事業場に就業規則の作成と届出が義務付けられています。正社員だけでなく、パート・アルバイト・契約社員もカウント対象です。


Q2.パートやアルバイトも「常時10人」に含めて数えるのですか?

A.はい、含まれます。就業規則の作成義務における人数カウントは、雇用形態に関係ありません。
常時使用しているかどうかが基準となるため、パートや短時間労働者も要注意です。


Q3.事業場単位で従業員が10人を超えた場合のみ義務があるのですか?

A.その通りです。就業規則の作成義務は「会社単位」ではなく「事業場単位」で判断します。支店や営業所ごとに10人を超えたかどうかを確認してください。


Q4.育児休業中・休職中の社員もカウントすべきですか?

A.はい。雇用契約が継続している社員は「常時使用する労働者」としてカウントされます。たとえ一時的に出勤していなくても、人数に含めて就業規則の作成義務を判断します。


Q5.派遣社員は「常時使用する労働者」に含めますか?

A.派遣元の企業の労働者であるため、派遣先ではカウントしません。ただし、契約形態によって判断が難しい場合は、専門家への相談が確実です。


Q6.就業規則は作成するだけでいいのですか?届出義務もあると聞きました。

A.作成だけでなく、所轄の労働基準監督署へ届出る義務(労働基準法第89条)があります。併せて「労働者代表の意見書」を添付(労働基準法第90条)する必要があります。


Q7.就業規則の届出をしなかった場合、罰則はありますか?

A.はい。労働基準法第120条により、30万円以下の罰金が科される可能性があります。行政指導・是正勧告を受ける前に、速やかに届出しましょう。


Q8.就業規則の作成や届出は、自社でできますか?外部に依頼する必要は?

A.自社作成も可能ですが、法改正や判例に対応するには専門知識が必要です。特にトラブル防止やリスク回避のためには、社会保険労務士に就業規則の作成・届出を依頼するのが安心です。


Q9.就業規則の作成義務があるのに、まだ作っていません。今からでも間に合いますか?

A.はい。義務が生じている以上、早急に作成・提出を行うことが求められます。過去の不備を是正するためにも、早めに社会保険労務士などの専門家にご相談ください。


Q10.就業規則を作成したら、労働者全員に説明・周知する必要がありますか?

A.はい。就業規則の効力を持たせるには、労働者への「周知」が法的に必須です。印刷して事業場に掲示する、イントラネットに掲載する、配布するなどの方法が必要です。


就業規則の作成義務や届出義務に不安がある方は、専門家に相談するのが最も確実な方法です。

就業規則の相談はACCS社会保険労務士法人まで!

・「誰をカウントすべきかが曖昧」
・「法改正に合っているか不安」
・「ひな形で作ったけど、これで本当にいいのか?」
・「忙しくて、手が回らない……」

このような悩みを抱える方は多く、制度としての就業規則は「書いて出せば終わり」ではありません。法律と現場運用の両方を理解して、初めて「意味のある就業規則」になります。


不安なまま放置するより、専門家に相談するという選択を

私たちACCS社会保険労務士法人では、法令に準拠した就業規則の作成・見直し・届出をトータルサポートしています。
会社ごとの事情に応じて、形式だけでなく実際に使える規則を提案することが可能です。

「これで大丈夫」と言い切れる安心感を得るためにも、まずはお気軽にご相談ください。


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